マクドナルドが「ポケットモンスター」とのコラボレーションの一環として、8月9日から配布を開始した『ポケモンカードゲーム』の限定カード全5種類が、多くの店舗で初日から予定より早く配布を終了する事態となっています。人気キャンペーンの開始前には、マクドナルドとメルカリが共同で転売対策を講じていましたが、連休初日には全国のマクドナルド店舗に多くの客が殺到し、大規模な混乱が発生。マクドナルドの公式アプリには、限定カードの早期終了と混雑に対する謝罪文が掲載される異例の事態となっています。
事前対策と転売への注意喚起
今回の「ポケットモンスター」とのコラボレーションは8月8日から実施され、通常のおもちゃに加えて、9日(土)から11日(月)の期間限定で『ポケモンカードゲーム』の限定カードが配布される予定でした。この限定カードへの高い需要を認識していたマクドナルドは、メルカリと共同で対策を実施すると事前に発表していました。マクドナルド側は、購入数を1人5つまでに制限するとともに、公式サイト上で「転売または再販売その他営利を目的としたご購入はご遠慮ください。また、食べきれない量のご注文もご遠慮いただけますようお願いします」と明確な注意喚起を行っていました。メルカリ側も、同様の注意喚起と悪質な出品の削除を宣言し、両社で協力体制を敷いていました。
キャンペーン初日の各地での混乱状況
SNSで拡散された店舗の混雑と問題行為
事前に対策が取られたにもかかわらず、キャンペーンがスタートした8月9日には、SNS上で各地のマクドナルド店舗が人で溢れかえる状況が多数報告されました。特に目立ったのは、モバイルオーダーを利用した客が受け取り口に殺到しているとの投稿や、一部ではカードだけを抜き取り商品を廃棄するといった悪質な行為が見られるという報告でした。これらの投稿は連休初日のSNSで瞬く間に拡散され、大きな注目を集めることとなりました。
トレンド入りと公式からの謝罪
事態の深刻さを示すように、同日15時頃にはX(旧Twitter)のトレンドにおいて「ハッピーセット」が1位、「転売ヤー」が5位、「マクドナルド」が8位にそれぞれランクインするなど、社会的な関心の高さが伺えました。この混乱を受け、マクドナルドの公式アプリには、「限定のポケモンカードは、多くの店舗で予定より早く配布を終了しております」「楽しみにしてくださったお客様、また混雑によりご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます」とのメッセージが掲載され、異例の謝罪に至りました。
マクドナルド公式アプリに掲載された、ポケモンカード配布キャンペーンの早期終了と混雑に関する謝罪文のスクリーンショット。
『ちいかわ』コラボに続く「ハッピーセット」問題
「ハッピーセット」を巡る混乱は今回が初めてではありません。今年5月に行われた人気キャラクター『ちいかわ』とのコラボレーションでも同様の事態が発生していました。この時もマクドナルドは購入制限などの対策を講じていたものの、一部店舗では発売当日の早朝から行列ができ、商品は予定期間よりも早く販売終了となりました。おまけのグッズがフリマサイト「メルカリ」などに大量に出品されたことから、購入者の多くが転売目的であったと批判が集中し、この際もマクドナルドは早期販売終了に対して謝罪文を公開していました。
マクドナルドの期間限定キャンペーンで配布された『ポケモンカードゲーム』の限定カード。人気キャラクターのピカチュウなどがデザインされている。
今回のポケモンカード配布における混乱は、事前に対策が講じられたにもかかわらず、転売問題の根深さ、そして人気商品における需要予測の難しさを改めて浮き彫りにしました。消費者の期待と企業の取り組みの間に生じた溝は、今後どのように埋められていくのか、引き続き注視が必要です。
参照: KAI-YOU編集部