広陵高校の甲子園辞退、石戸論氏が語るSNS拡散と学校対応の「想定外」

第107回全国高校野球選手権において、暴力事案の発覚により2回戦以降の出場を辞退した広陵高校(広島)について、ノンフィクションライターの石戸論氏がフジテレビ系「サン!シャイン」に生出演し、自身の見解を述べました。この予期せぬ事態が引き起こした波紋と、その背景にある現代社会の側面を深く掘り下げています。

テレビ番組「サン!シャイン」で広陵高校の暴力事案についてコメントするノンフィクションライター石戸論氏テレビ番組「サン!シャイン」で広陵高校の暴力事案についてコメントするノンフィクションライター石戸論氏

石戸氏「高野連も学校側も完全に想定外」と指摘

毎日新聞の記者経験を持つ石戸氏は、かつてセンバツ高校野球の取材記者として高野連(日本高校野球連盟)関係者との付き合いもある自身の経験を踏まえ、「今回の事案に関しては、僕自身も記者時代にセンバツ高校野球の記者だった。高野連の人たちとも付き合いもあるので、思うところはあるんですけれども、今回に関しては、高野連側も広陵高校側も完全に想定外だったと思います」と分析しました。この発言は、長年高校野球界に携わってきた専門家の視点から、今回の辞退が両者にとって全く予期せぬ出来事であったことを強調しています。

SNSによる情報拡散と強烈な批判の波

石戸氏が「想定外」と指摘する最大の要因は、SNSによる情報拡散の速度と、それに伴う世論の激しい変化でした。「何が想定外だったかというと、SNSでこれだけ情報が拡散していって、誹謗中傷も中にはありましたけど、それだけじゃなくて、イジメとか通り越した暴行なんじゃないの、とか暴力事案としてどうなの、って、その中には、強烈な批判もあったんですよね」と述べ、単なる情報拡散にとどまらず、行為が「いじめ」の範疇を超えた「暴行」や「暴力事案」であるとの認識が広がり、それが強烈な批判に繋がったと説明しました。

この結果、「広陵高校が出場していること自体が、出場している生徒も含めて、悪者になってしまう空気感が醸成されていった。これは想定外だったと思います」と、SNSが作り出した負の「空気感」が、広陵高校全体を「悪者」として認識させるに至った状況を指摘。従来の報道ではコントロールしきれない、SNSならではの現象が事態を大きく動かしたとの見解を示しています。

想定外を招いた真の要因は「学校側の対応」

さらに石戸氏は、今回の「想定外」の事態を招いた大きな要因は、情報を告発したSNSの投稿者ではなく、学校側の初動対応やその後の動きにあると指摘しました。「この想定外を招いていった大きな要因は、SNSの告発者ではなくて、学校側の対応とか、今後検証されていくのはそっち側だと思います」と強調し、問題の本質は情報の拡散方法ではなく、それに対する学校の危機管理と対処能力にあったとの見方を示しました。この発言は、今後の高校や教育機関における同様の事案発生時の対応に警鐘を鳴らすものとして注目されます。

結論

広陵高校の甲子園辞退は、SNSによる情報拡散が引き起こす現代社会の「想定外」な事態と、それに対する組織の対応能力が問われる事例となりました。石戸論氏の分析は、表面的な事象の裏にある、学校側の危機管理と世論形成の重要性を浮き彫りにしています。この一件は、単なる高校野球のニュースに留まらず、社会におけるSNSの影響力と、組織が透明性を持って迅速に対応することの必要性を再認識させる契機となるでしょう。

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