11月6日に行われた参議院本会議での岸田文雄首相による所信表明演説に対する各党代表質問において、れいわ新選組の山本太郎代表が登壇し、高市早苗経済安全保障担当大臣に対し、多岐にわたる質問を投げかけました。特に経済政策や故竹中平蔵氏への叙勲に関するやり取りは、その後のSNSで大きな注目を集めています。
参議院本会議で質疑を行うれいわ新選組の山本太郎代表
山本太郎氏の質疑、多岐にわたる政策批判
れいわ新選組の山本太郎代表は、高市大臣が防衛費増額の前倒しや消費税減税に慎重な姿勢を示していることを槍玉に挙げ、その政治姿勢を厳しく批判しました。山本氏は、「アメリカの尻馬に乗った大軍拡に防衛増税、トランプへの売国関税合意、裏金、統一教会議員の要職起用。すべて国民の理解が得られてないのに強行するのは、なぁぜなぁぜ?」と、流行語を取り入れた独特の表現で政府の政策運営に疑問を呈しました。
さらに、山本氏は経済対策として、「消費税減税と一律現金給付の方が早期に実施でき、確実に経済成長しますよ?“レジが~エンジニアが~”とか意味不明な言い訳やめてもらって、さっさと減税と給付金で国民救ってもらっていいですか? 総理やりますか? やりませんか?」と、具体的な提案を突きつけ、高市大臣の即答を迫る場面も見られました。
注目集まる故竹中平蔵氏の叙勲を巡る質疑
国会での質疑の中で、特にSNSで大きな話題となったのが、故竹中平蔵氏が秋の叙勲で旭日大綬章を受章した件に関する山本氏の質問でした。山本代表は、「今回、総理の師匠とも言える竹中平蔵さんに、旭日大綬章を授与。内閣府はその理由を、大臣として政府の重要な政策に参画したと説明。(中略)総理が思う竹中さんの功績は?」と問いかけました。
山本氏は、竹中氏が小泉政権下で規制緩和を推進し、郵政民営化の立役者となったことを指摘。その結果、非正規労働者の増加や賃金格差の拡大、郵便サービスの質の低下を招いたと批判しました。また、2005年の郵政選挙で高市大臣が竹中氏の応援を受けて当選したことに触れ、「高市さんの政治キャリアで小泉・竹中イズムは確かに生きている」と、両者の政治的関係性を強調しました。
高市大臣の「師匠ではない」と毅然とした答弁
山本氏からの質疑に対し、高市大臣は「竹中平蔵氏の功績についてお尋ねがございました。私の師匠とおっしゃいましたが、師匠だったことはございません」と、明確に師弟関係を否定しました。この率直な切り返しには、場内から笑いが起こる一幕もありました。
高市大臣は続けて、竹中氏への叙勲について「この秋の叙勲でございますが、石破内閣で閣議決定されたものでございますので、私は竹中平蔵氏の功績書を持っているわけではございません」と述べ、自身の関与を否定しました。一方で、竹中氏の功績については、「竹中氏は小泉内閣の経済財政政策担当大臣として、我が国の経済再生に貢献され、金融担当も兼務して金融の安定強化に尽力されたと承知しています。総務大臣も歴任され、5年以上の長きにわたって閣僚として貢献されたと認識しています」と、客観的な評価を示しました。
SNSでの反応と山本氏への批判
この国会でのやり取り、特に高市大臣が山本氏の発言を否定した場面は、SNS(旧Twitter)で即座に拡散され、様々な声が上がりました。多くのユーザーからは、山本太郎代表の質問に対する準備不足を指摘する声が聞かれました。
《竹中平蔵の叙勲に高市大臣は関わってないんだけど。山本太郎はそんなことも知らずに質問してんの何とも思わないの?》
《調べもしないで思った事をペラペラ自慢げに話す党首って程度が知れてる》
《笑笑笑ほんま下調べどないなってんねん》
《つまりイチャモンつけたいだけなんですね》
といったコメントが寄せられ、山本氏の質疑の精度に対する疑問が呈されました。国会での質疑応答は、単なる政策論争だけでなく、情報収集や事実確認の重要性も浮き彫りにする形となりました。





