英空母プリンス・オブ・ウェールズ横須賀に寄港:インド太平洋における日英協力深化の象徴

イギリス海軍最大の軍艦である空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が、8月12日朝、神奈川県・横須賀基地に堂々と入港しました。イギリス海軍の空母が日本に寄港するのは、2021年の同型空母「クイーン・エリザベス」以来であり、今回の寄港は日英間の防衛協力の深化と、インド太平洋地域へのイギリスの強いコミットメントを示すものです。

堂々たる入港と特徴

「プリンス・オブ・ウェールズ」は、12日午前8時前、甲板にF-35Bステルス戦闘機を搭載した雄姿で横須賀港に姿を現しました。アメリカ海軍の空母とは異なり、反り返った特徴的な甲板と、二つの艦橋を持つ独特の設計が目を引きます。この巨艦は、イギリス海軍の駆逐艦「ドーントレス」およびノルウェー海軍のフリゲート「ロアール・アムンセン」と共に日本へ到着しました。特に、ノルウェー海軍の軍艦が日本に寄港するのは今回が初めてとされており、国際的な協力体制の広がりを象徴しています。

横須賀港に雄姿を現したイギリス海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズ。F-35Bステルス戦闘機を搭載し、英海軍のインド太平洋地域へのコミットメントを示す。横須賀港に雄姿を現したイギリス海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズ。F-35Bステルス戦闘機を搭載し、英海軍のインド太平洋地域へのコミットメントを示す。

CSG25艦隊の国際演習と戦略的展開

「プリンス・オブ・ウェールズ」は、今年4月にイギリスを出発して以来、多国籍の艦隊「CSG25(Carrier Strike Group=空母打撃群)25」を構成してきました。この打撃群には、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、カナダなど各国の軍艦が参加しており、インド洋や南太平洋の広範囲で各国海軍との連携を強化するための演習を重ねてきました。満載排水量6万8000トンを誇る「プリンス・オブ・ウェールズ」は、横須賀では普段アメリカ海軍の空母「ジョージ・ワシントン」が使用している12号岸壁に接岸しており、その巨大さが際立ちます。

駐日イギリス大使が強調するコミットメント

ジュリア・ロングボトム駐日イギリス大使は、「プリンス・オブ・ウェールズ」の横須賀寄港について、「安全で繁栄したインド太平洋地域を支援するというイギリスの強いコミットメントを明確に示すものであり、日本とのパートナーシップの深さを象徴しています」とコメントし、今回の寄港が持つ戦略的な重要性を強調しました。

今回の「プリンス・オブ・ウェールズ」の横須賀寄港は、単なる友好訪問に留まらず、国際社会における自由で開かれたインド太平洋の維持に向けた、日英両国の連携強化と多国間協力の推進を強く印象付けるものです。

参照元

FNNプライムオンライン