米大リーグ(MLB)サンフランシスコ・ジャイアンツで活躍する李政厚(イ・ジョンフ)選手(26)の守備力が、現地メディアや専門家の間で注目の的となっています。彼がセンターの守備で抱える課題が、打撃での貢献度を相殺しているとの指摘があり、ポジション変更の必要性まで議論される状況です。
サンフランシスコ・ジャイアンツの李政厚選手。守備面での課題が指摘されている。
米メディアが指摘する「打撃価値の相殺」
米スポーツメディア「ジ・アスレチック」は最近、「李政厚は打席で稼いだ価値をセンターの守備ですべて失っている」と報じ、彼の守備に厳しい評価を下しました。同記事では、チームメイトでレフトを守るエリオット・ラモス選手(25)についても「統計上、MLB最悪の外野手」と酷評し、ジャイアンツの外野守備全体が深刻な不安を抱えている現状を浮き彫りにしています。
さらに、同メディアは「最も現実的な案は、ラモスを指名打者(DH)に専念させ、新たなセンター選手を獲得または育成し、李政厚をレフトに配置転換することだ」と具体的な解決策を提案しています。これは、個人の守備力だけでなく、外野陣全体のバランスと効率性を見直す必要性を強く示唆しています。
ジャイアンツ外野陣の守備負担と悪循環
ジャイアンツでは、レフトのラモス選手が守備でミスを頻発しているため、センターの李政厚選手がより広い範囲をカバーせざるを得ない状況にあります。この過大な守備負担が、李政厚選手自身の守備位置の選定や打球判断におけるミスを引き起こす要因となり、結果としてチーム全体の守備効率が低下するという悪循環に陥っています。外野守備の連鎖的な問題が、チームの失点に直接影響を及ぼす可能性も高まっています。
データが示す守備指標OAAの現実
MLBの公式データ解析システム「スタットキャスト」が示す守備指標OAA(Outs Above Average:外野手の守備能力評価指標)は、李政厚選手の守備課題を裏付けています。今年の彼のOAAは「-3」を記録しており、これは昨年の「-1」からさらに悪化していることを意味します。OAAは、大リーグの同じポジションの守備選手が同じ機会に取ったアウト数を基準とする指標であり、「-3」という数値は、李政厚選手がMLBのセンターの平均と比較して、3つ多くアウトを逃したことを示しています。
ちなみに、レフトのエリオット・ラモス選手はさらに低い「-9」を記録しており、ジャイアンツの外野守備全体が深刻な問題を抱えていることが、客観的なデータによって明確に示されています。
まとめ
李政厚選手がサンフランシスコ・ジャイアンツのセンターとして直面している守備面の課題は、現地メディアの厳しい指摘やスタットキャストの具体的なデータによって明確になっています。彼の打撃における貢献が守備の不安定さによって相殺されるという現状は、チーム全体の成績にも影響を及ぼしかねません。ジャイアンツが外野陣の守備効率を改善し、チーム力を高めるためには、李政厚選手のポジション変更を含む大胆な戦略的見直しが喫緊の課題となっています。
参考文献
- 米スポーツ・メディア「ジ・アスレチック」
- MLBデータ解析システム「スタットキャスト」
- 朝鮮日報日本語版 (via Yahoo!ニュース): https://news.yahoo.co.jp/articles/271fb817dab4ca45023ddf5684163b2a68d887c7