毬谷友子、靖国神社「回天キューピー」に怒り 販売中止品がSNSで波紋

元宝塚歌劇団の女優・毬谷友子さんが2025年8月18日に自身のX(旧Twitter)を更新し、靖国神社で販売されていたとされる「回天に乗ったキューピー」への怒りを表明しました。この投稿は瞬く間に拡散し、インターネット上で大きな賛否の波紋を広げています。彼女が言及した商品は、実はすでに販売が中止され、自主回収されていた過去の製品であることが判明し、この事実が議論に拍車をかけています。

毬谷友子さんのX投稿と「回天キューピー」への憤り

毬谷友子さんはXで、「靖国神社で売られていた回天に乗ったキューピー」と題し、旧日本海軍の帽子を被り、「回天」の文字が入った魚雷風の衣装を着せられたキューピー人形の写真を公開しました。彼女は、この人形を偶然目にして「自分のハラワタが煮えくりかえっている」と強い怒りを露わにしました。毬谷さんは、特攻兵器「回天」の存在を劇作家・野田秀樹氏の芝居で知り、その衝撃的な内容が事実であったことに深く心を痛めていたと語り、「だからこれは、私の中で絶対に許されない」と、その心情を吐露しました。

「回天」とは、太平洋戦争末期に日本軍が使用した特攻兵器の一種で、搭乗員が乗り込み敵艦に体当たりする人間魚雷として知られています。毬谷さんは、このような背景を持つ兵器をモチーフにした商品に対し、「ふざけるなよ。本当に。本当に」と、感情を爆発させました。

2025年8月15日、多くの参拝者で賑わう靖国神社2025年8月15日、多くの参拝者で賑わう靖国神社

販売中止となった経緯とネット上の反響

毬谷友子さんが投稿で紹介したキューピー人形は、「コスチュームキューピー 旧軍コレクション」シリーズの一つで、民間業者が制作したものです。この商品は2009年頃に自衛隊基地内の売店などで実際に販売されていましたが、当時すでに批判の声が上がり、販売中止および自主回収の措置が取られていました。しかし、今回の毬谷さんの投稿によって、過去の製品が再び注目されることとなりました。

この件に対するネット上の反応は多岐にわたります。一部からは「最低だ…」「回転人形って酷い冗談だ」といった毬谷さんの意見に同調する声が上がった一方で、「こんなん売ってなかったけど?」「今現在売ってるような錯覚を起こすようなポストはいかがなものかと思いますよ」「既に販売停止のものを掘り起こしてきて炎上させたい感じ?」といった、情報の正確性や投稿の意図を問う否定的な意見も多く見られました。

まとめ

毬谷友子さんの「回天キューピー」に関するX投稿は、過去のセンシティブな商品を巡る議論を再燃させました。終戦記念日を控える時期におけるこの投稿は、戦争の記憶や歴史認識、そして現代社会における表現の自由や倫理観について、改めて社会全体に問いを投げかける結果となりました。販売が中止された商品であっても、その存在がSNS上で再び注目されることで、歴史的な事柄と現在の感受性との間の複雑な関係性が浮き彫りになっています。

参考文献