朝ドラ「あんぱん」河合優実演じる蘭子の部屋に隠された「豪ちゃん」への深い愛と視聴者の共感

NHK連続テレビ小説「あんぱん」の第102話が19日に放送され、女優・河合優実が演じる朝田蘭子の部屋に飾られたある品が視聴者の注目を集めています。蘭子の胸中に秘められた過去の愛が、切なくも温かい反響を呼んでいます。

フリーランスのライターとして、柳井のぶの夫である柳井嵩のかつての戦友、八木信之介(妻夫木聡)が立ち上げた会社「九州コットンセンター」のビーチサンダルの宣伝文案を手がける蘭子。八木から3度目の書き直しを命じられた蘭子が、自宅で実際にサンダルを履きながら推敲を重ねるシーンで、彼女の部屋の壁に背中に「釜」の字が入ったはんてんが飾られているのが映し出されました。

このはんてんは、蘭子の実家「朝田石材店」で働いていた若き石工、原豪(細田佳央太)の形見です。蘭子は豪の出征前、互いの秘めた思いを伝え合い、結婚の約束を交わしました。豪は「絶対に戻ってくる」と約束して戦地へ向かいましたが、除隊まで1年を切ったある日、朝田家に彼の戦死の報せが届きます。かつて妹・メイコ(原菜乃華)に豪に一生分の恋をしたと語っていた蘭子は、豪の死後も独身を貫き、同話でのぶにも「私は一生恋愛らあはせん」と語っていました。

この回では、宣伝文を読んだ社員の粕谷将暉(田中俊介)が「絶対」という言葉を入れることを提案しますが、蘭子はその言葉を使うことを固辞します。蘭子は八木に対し、かつて結婚の約束をしていた人が「絶対に生きて帰る」と誓いながらも帰ってこなかったと明かし、「だから私『絶対』っていう言葉、使えないんです」と、その痛ましい理由を打ち明けました。

あんぱん 第102話 河合優実演じる朝田蘭子と妻夫木聡演じる八木信之介の対話シーンあんぱん 第102話 河合優実演じる朝田蘭子と妻夫木聡演じる八木信之介の対話シーン

蘭子が今も豪を深く思い続けていることが示唆される形見のはんてんの存在と、「絶対」という言葉への深い葛藤に、視聴者からは多くの共感の声が寄せられました。「部屋に豪ちゃんがいる」「東京にまで…(涙)」「蘭子は豪ちゃんのことをずっと思い続けてるんだ」「2人はずっと一緒」「『絶対』が使えない理由に泣いた」「蘭子の思いに胸が締め付けられる」といったコメントが相次ぎ、SNSのX(旧Twitter)では「豪ちゃん」がトレンド入りするほどの反響となりました。

連続テレビ小説あんぱん 河合優実演じる蘭子が真剣な表情で過去を語る場面連続テレビ小説あんぱん 河合優実演じる蘭子が真剣な表情で過去を語る場面

蘭子の変わらぬ深い愛情と、彼女が抱える心の傷が描かれた今回のエピソードは、多くの視聴者の心に響き、物語にさらなる深みを与えています。

参考文献

  • NHK
  • モデルプレス