NHK連続テレビ小説『あんぱん』で、俳優の高橋文哉が演じるキャラクター・健太郎の髪型が、放送回を追うごとに視聴者の間で大きな注目を集めています。特に、その襟足が長いヘアスタイルについて、SNS上では疑問や関心の声が相次ぎ、なぜこのような変化があったのか、その背景に憶測が飛び交っています。
健太郎の髪型、なぜ注目?―変化の経緯を追う
物語の中で健太郎は、芸術学校時代からの友人である嵩(北村匠海)とともに東京でNHKのディレクターとなり、ヒロイン・のぶの妹メイコと結婚し、2人の娘の父として生活しています。
健太郎の髪型の変化が明確になったのは、第95話(8日放送)からでした。この時点では、喫茶店で嵩と話すシーンにおいて、襟足は肩の上あたりで「やや長め」といった程度でした。しかし、次に健太郎が登場した第98話(13日放送)では、その風貌が一変。襟足が約5センチ以上伸び、完全に肩から背中にかけて流れるほどの長さになっていました。カメラワークによってはあまり気にならない程度の変化でした。
さらに変化が顕著になったのは、第100話(15日放送)。再び嵩と喫茶店のカウンターで向き合うシーンでは、健太郎が白地のシャツを着用していたこともあり、その長髪ぶりが際立って見えました。そして、週明けの第101話(18日放送)では、視聴者からの指摘がSNS上に殺到。健太郎の髪型は襟足だけでなく全体も長くなり、ボブカットとも言えるほどのボリュームに。正面から横を向く動きも加わり、彼のヘアスタイルの特徴がより明確に映し出されたのです。
NHK連続テレビ小説「あんぱん」に登場する健太郎役の高橋文哉の襟足が長い髪型
X(旧Twitter)では、「どうしても健ちゃんの襟足の長さが気になる…なぜ!?」「何回見ても慣れない」「ちょっと待って健ちゃん髪どうしたの」といった、健太郎の髪型に対する違和感を指摘する声が日に日に増え続けています。
時代背景とヘアスタイルの関連性―1960年代の流行
現在放送されている『あんぱん』の物語は、1960年代を描いているものと推測されます。現実の世界では、嵩のモデルであるやなせたかし作詞の「手のひらを太陽に」がNHK『みんなのうた』で放送されたのは1962年のことです。
1960年代後半には、様々なヘアスタイルが流行しました。その一つが「オオカミカット(ウルフカット)」です。このスタイルはロックミュージシャンに好まれたと言われています。他にも、同時期にはビートルズで有名になった「マッシュルームカット」、女性の間では「ツイッギーカット」や「アイビーカット」なども人気を博していました。
おそらく健太郎の新しいヘアスタイルは、この「オオカミカット」をイメージして作られたものと考えられます。歌好きの妻・メイコと結婚した健太郎が、当時の音楽業界の流行スタイルにも敏感であった、というキャラクター設定が髪型の変化に反映されているのかもしれません。これは、ドラマが描く時代背景とキャラクターの内面を細やかに表現する、制作側の意図が込められた演出と言えるでしょう。
参考資料
- 中日スポーツ