今年3月、新潟県・佐渡島沖の日本海で、佐渡汽船の高速船「ぎんが」が航行中に何らかの物体と衝突し85人が負傷した事故で、佐渡海上保安署は13日、船長の男性(41)と運航管理責任者の男性(54)について、「業務上の過失は認められない」とする捜査結果を新潟地検に書類送付した。
衝突事故は3月9日午後0時15分ごろに発生。乗客乗員計85人が腰の骨を折るなどの重軽傷を負い、佐渡海保が、業務上過失往来危険と業務上過失傷害の疑いで捜査していた。
刑事責任は問えないと判断した理由について佐渡海保は「衝突は到底、回避できるものではなかったし、航行中に乗客のシートベルト着用を確認するなど、安全規定も守られていた」と説明している。
衝突した物体は、海洋生物とみられ、船に設置されたカメラには白い浮遊物が写っていたものの、特定はできなかったという。