来る10月のふるさと納税制度改正により、多くのポータルサイトで提供されてきたポイント還元が廃止されることになりました。これを受け、現在「駆け込みふるさと納税」が急増しており、各サイトや自治体は寄付者を呼び込むため、様々なキャンペーンを展開しています。この大きな制度変更は、寄付者にとって今が最後のチャンスであると同時に、今後のふるさと納税のあり方を考える上で重要な転換点となります。
ふるさと納税ポイント制度、10月廃止の背景と影響
ふるさと納税は、地方自治体への寄付を通じて返礼品を受け取れることから高い人気を集めています。さらに、一部のポータルサイトを経由して寄付を行うと、追加でポイントが付与される仕組みもあり、これが寄付者にとって大きな魅力となっていました。しかし、2025年10月からはこのポイント還元制度が廃止されます。総務省は、ポイント競争の過熱が制度の趣旨から逸脱していることを主な理由として挙げており、より本来の寄付の形に回帰させたい意向があるようです。
この決定に対し、街の消費者からは戸惑いの声が聞かれます。40代の女性は「ポイントがなくなると、ふるさと納税を続けるか少し考える。それならスーパーで買う方が手軽かも」と話し、50代の男性は「国民のことを考えていないのではないか。私たちのお金のことをもう少し考慮してほしい」と不満を表明しました。SNS上でも、「ポイント付与がなくなる前に、急いでふるさと納税を済ませた！」「制度改正前のラストチャンス！駆け込みで寄付を急げ！」といった声が多数投稿されており、9月末までの期限に向けて寄付が加速している現状が伺えます。
ふるさと納税のポイント制度廃止を伝えるニュース画面
駆け込み寄付が急増中！お得なキャンペーンと「狙い目返礼品」
ポイント制度の廃止を前に、まさに今が「駆け込みふるさと納税」の絶好の機会となっており、各ポータルサイトも寄付者向けの魅力的なキャンペーンを打ち出しています。ふるさと納税ガイドの飛田啓介編集長によると、楽天ふるさと納税では9月初旬の楽天スーパーセールで大幅なポイント還元率アップキャンペーンを実施。また、さとふるでは抽選で寄付金額の最大1000%分のポイントが還元されるキャンペーンも展開されています。Amazonふるさと納税も最大15%のポイント還元を行うなど、各社がしのぎを削っています。
こうした状況の中で、特に「狙い目」となる返礼品はどのようなものがあるのでしょうか。飛田編集長は、現在先行予約のコメが大変人気である一方で、今月中に届くコメにも注目すべきだと指摘します。多くの自治体が今月配送分のコメの寄付額をわずかながら値下げしており、通常よりもお得に手に入れるチャンスがあるとのこと。「まさに今が旬」と強調します。
他にも、10月からの寄付額見直しが予定されている返礼品もおすすめです。例えば、岐阜県大垣市の「生餃子100個セット」や宮城県石巻市の「訳あり銀鮭切り身」などは、今のうちに確保しておくのが賢明とされています。
さらに、期間限定で寄付額を大幅に下げている自治体も見られます。大阪府泉佐野市は9月末までの期間限定で、特別な返礼品としてボックスティッシュ60箱セットを1万2000円で提供。これまでは相場が1万4000円程度であったことから、他の自治体が驚くほどの「お宝返礼品」と評されています。このような掘り出し物を見つけることも、駆け込み寄付の醍醐味と言えるでしょう。
ポイント廃止後、ふるさと納税サイトの差別化戦略とは？
これまで、ふるさと納税サイト各社はポイント付与によって差別化を図ってきましたが、10月以降はこの手法が使えなくなります。では、今後はどのような形で競争していくのでしょうか。飛田編集長は、今後の差別化の鍵として「配送に力を入れるふるさと納税サイトが増えてくる」と予測しています。
実際に、Amazonのふるさと納税サイトでは「最大翌日配送」を実現するなど、配送のスピード感や日時指定の柔軟性を追求する動きが見られます。今後、寄付者は返礼品の内容だけでなく、配送の利便性やサービス品質を重視してサイトや自治体を選ぶようになる可能性が高いと分析されています。迅速かつ確実な配送体制の構築が、競争力を維持・向上させる上で重要な要素となるでしょう。
結論
ふるさと納税のポイント還元制度廃止は、多くの寄付者にとって大きな影響を与える制度改正です。9月末までの「駆け込み期間」は、お得なキャンペーンや狙い目の返礼品を活用する最後のチャンスとなります。一方、制度変更後は、ふるさと納税サイトは配送サービスなどの利便性で差別化を図る傾向が強まるでしょう。この変化を理解し、賢くふるさと納税を活用することが、今後もこの制度を最大限に活かす鍵となります。
参考資料
- テレビ朝日「グッド！モーニング」2025年8月27日放送分より
