アメリカの人気歌手テイラー・スウィフトさんが、NFLのスター選手であるトラヴィス・ケルシー選手との婚約を発表しました。この慶事を巡り、MAGA(Make America Great Again)系の保守派著名人やインフルエンサーから、時代錯誤で女性蔑視的な発言が相次ぎ、国際社会で大きな物議を醸しています。
グラミー賞授賞式に出席し、世界中から注目を集めるテイラー・スウィフト
保守派チャーリー・カーク氏の過激な主張
保守派インフルエンサーのチャーリー・カーク氏は、自身の番組でテイラー・スウィフトさんの婚約に対し、過激な持論を展開しました。彼は「フェミニズムを拒否し、夫に従いなさい、テイラー。君が主導権を握るわけではない」と断言。さらに、「“テイラー・ケルシー”のコンサートに行ける日が待ちきれませんよ。名前を変えなければ、本気ではないということになる」と、男性至上主義的な結婚観を押し付けました。
カーク氏は、スウィフトさんには「自分が所有している家よりも多くの子どもを持つ必要がある」とも主張。「子どもを持てば、バイデン支持のようなおかしなリベラルな活動をやめるはずだ」と述べ、女性の役割を家庭内に限定し、その政治的信条にまで介入するような発言を繰り返しています。過去には「女性は学位を取るためではなく、未来の夫に出会うために大学に行くべきだ」と発言するなど、女性に対する時代に逆行した見解で知られています。
広がる批判と社会的な反響
当然のことながら、カーク氏のこれらの発言はSNSを中心に激しい批判を浴びています。SNSユーザーからは、「スウィフトは(自身の楽曲『ラベンダー・ヘイズ』の歌詞で)『そんなのは受け入れない、彼らが私に押し付けたい1950年代的なクソみたいなものは』と歌っているが」と、彼女自身のメッセージと対比させる声や、「外に出て現実を見た方がいい」「ただミソジニー(女性嫌悪)を広めたいだけの人たちだ」といった手厳しいコメントが多数寄せられています。
テイラー・スウィフトさんとトラヴィス・ケルシー選手の結婚を巡る奇妙な発言はカーク氏だけではありません。CNNの保守系コメンテーターであるスコット・ジェニングス氏もまた、番組内で「彼ら(スウィフトとケルシー)が西洋文明にできる最も大きな貢献は、子どもをたくさん作り、盲目的に自分たちに従う人々を説得して、彼らにも大量に子どもを産ませることだ」と発言し、議論を呼びました。
結論
テイラー・スウィフトさんの婚約という個人的な慶事は、現代社会における女性の役割、自立、そして価値観を巡る保守派とリベラルの間の根深い対立を改めて浮き彫りにしました。個人の選択や生き方に対する公衆からの過度な介入、特に女性に対する旧態依然とした期待は、多様な価値観が共存する社会において大きな課題を提起しています。
参照: ハフポストUS版 (Yahoo!ニュース経由)