埼玉県知事、トルコ国籍者への短期滞在ビザ免除一時停止を要請:高まる治安不安への対応

埼玉県の大野元裕知事がフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演し、外務省に対し、トルコ国籍者への短期滞在ビザ免除措置の一時停止を要請した背景について語りました。この異例の要請は、埼玉県内で深刻化する治安悪化への対策として注目されており、特に特定の外国人コミュニティに起因する問題への対応として議論を呼んでいます。

埼玉県における治安悪化の実態と対応

埼玉県は、東京都、大阪府に次いで外国人が多く居住する地域であり、特に川口市では、2024年度の治安意識調査で市民の49%が「治安が悪い」と感じているという結果が出ています。大野知事は、「令和5年を境に、多くの県民から治安に対する不安の声が寄せられている」と述べ、この状況への危機感を表明しました。

これに対し、埼玉県は多角的な治安対策を講じています。警察に対し治安措置の強化を求めるとともに、22年ぶりに川口北警察署を新設する予算を計上するなど、警察力の増強に力を入れています。さらに、大幅な警察官の人員拡充を国に求め、全国で476名の増員があった中で、埼玉県には175名が配属されるなど、可能な限りの対応を進めてきました。また、市民による自主的な防犯活動「わがまち防衛隊」が発足するなど、地域コミュニティを巻き込んだ取り組みも活発化しています。

テレビ番組に出演し、トルコ国籍者のビザ免除一時停止について説明する埼玉県の大野元裕知事テレビ番組に出演し、トルコ国籍者のビザ免除一時停止について説明する埼玉県の大野元裕知事

治安悪化の背景:難民申請と特定の外国人集団

大野知事は、治安悪化の背景として、特に蕨市や戸田市といった地域で「難民申請を繰り返す外国人、特にトルコ国籍者が多い」ことを指摘しました。他の都道府県では問題とならないケースであっても、埼玉県ではトルコ国籍者の半数以上が「特定活動」という在留資格を持つ人々であり、この中には難民申請中の者も含まれると説明しています。知事はこれらの問題に「ぜひ対処してほしい」と国に強く求めています。

短期滞在ビザ免除一時停止の提言とその意図

現在の制度では、トルコ国籍者は日本への入国時に短期滞在ビザが免除されています。これは二国間関係を円滑にするための特別な措置です。大野知事は、この措置を見直し、他の国の国民と同様に「査証(ビザ)を取得してほしい」と訴えました。具体的には「査証経伺(けいし)」と呼ばれる、日本国内で一度入国審査を行うスクリーニングプロセスの導入を要求しています。これは、現在スクリーニングが行われないまま難民申請を理由に入国している現状を是正するための措置です。

知事は、「トルコ国籍者だけをターゲットにしているのではない。トルコ国籍者が優遇されている現状を、他の国民と同じようにしてほしい」と強調し、段階を踏んで治安回復に向けた取り組みを進めていると説明しました。この提言は、日本の入管制度における課題と、地域社会の安全確保とのバランスを再考する契機となるでしょう。

参考資料