東京地裁で凄惨な監禁致傷事件の初公判:大城被告らの残虐な手口

建設会社の代表を務めていた大城優斗被告(24=逮捕時)と、共犯の大城海人被告(25=同)による強盗・逮捕監禁致傷の罪に問われた初公判が10月20日、東京地方裁判所で開かれた。両被告は取引先の男性を約3ヵ月間にわたり監禁し、想像を絶する暴行を加えたとされる。この事件は、金銭トラブルをきっかけにエスカレートした人間の残虐性と、被害者が心身ともに深く傷つけられた実態を浮き彫りにしている。

建設会社代表の大城被告らが被害男性を約3ヵ月間監禁し、暴行を加えた事件のイメージ画像建設会社代表の大城被告らが被害男性を約3ヵ月間監禁し、暴行を加えた事件のイメージ画像

起訴内容と法廷での認否

公判では、まず海人被告が派手な柄のハーフパンツ姿で入廷し、傍聴席の知人とうすら笑いを交わすなど、軽薄な態度を見せた。続いて黒のスーツ姿の優斗被告が入廷。海人被告と比べて華奢な印象とは裏腹に、法廷では優斗被告らが主導したとされる凄惨な暴行内容が次々と明らかにされた。裁判官が起訴内容に誤りがないか確認すると、両被告はそれぞれ「いいえ」「ないです」と述べ、罪状を認めた。

脅迫と金品強奪の詳細

起訴状によると、事件は今年1月に優斗被告が海人被告らと共謀し、複数人で被害男性宅に押し掛けたことから始まった。男性は「金出せ。親まで行くぞ。親殺すぞ」といった脅し文句を浴びせられ、顔面を殴打され、バリカンで丸刈りにされた。この際、現金約85万円、商品券、そして高級腕時計9本を含む合計約320万円相当の金品が強奪された。

凄惨な監禁と暴行の実態

男性はその後、車に乗せられ近郊の宿泊施設へ拉致され、4月末までの約3ヵ月間、十数ヵ所を転々としながら監禁された。「埋める。バラす」といった言葉で移動中も脅され続け、暴行はエスカレートした。熱したフライパンを押し付けたり、熱湯をかけたりして、全身の10%に真皮にまで及ぶ2度熱傷を負わせた。さらに、ドライバーで突き刺す、金づちで指を叩くなどの残虐な行為が行われ、その様子は動画で撮影・共有されていたという。金銭への執着は深く、男性に詐欺電話をかけさせ、特殊詐欺事件にも加担させていたことが判明した。

事件の背景:金銭トラブルとエスカレーション

この凄惨な事件の背景には、金銭トラブルがあった。優斗被告が代表を務める建設会社が手掛けた内装工事のクロス張りにクレームが寄せられ、元請けである被害男性が勤務する会社が報酬約70万円の支払いを一時保留したことが発端とされる。優斗被告らは男性を一時的に拘束し、この未払い金を回収した。その後、A社と金銭トラブルを抱える知人から「未払い金を回収できれば、回収金の数%を報酬として支払う」という話を持ちかけられ、再び男性を監禁し、今回の事件に至った。

事故による発覚と被害者の深刻な状態

事件は意外な形で発覚した。4月30日、被告らが豊島区内でタクシーに衝突する交通事故を起こし、警察が乗用車に乗せられていた被害男性を発見、保護したのである。監禁中の暴行により、男性は肋骨の骨折、全身やけどで全治6ヵ月の重傷を負っていた。右眼のぼやけや栄養失調も深刻で、体重は80kgから60kgまで激減し、ひどく衰弱していた。しかし、保護された当初、男性は「自分は監禁されていない」「悪いのは私なんです」と述べ、しばらく被告らをかばっていたという。

結論

この事件は、被告らの極めて残虐な行為と、金銭トラブルから始まる監禁・暴行がどこまでエスカレートしうるかという社会の闇を露呈した。被害男性が負った身体的、精神的な傷は深く、その後の回復には長い時間がかかるだろう。今後の裁判で、被告たちの口から真摯な反省の言葉が聞かれるのか、社会の正義がどのように示されるのか、引き続き注目される。

情報源: FRIDAYデジタル (Yahoo!ニュース経由)