東京都青梅市成木の民家で14日未明、住人の無職、小川和男さん(67)が何者かに頭を殴られて殺害された事件で、事件の約1時間前から現場周辺を行き来する複数の不審な車両が防犯カメラに写っていたことが15日、関係者への取材で分かった。小川さんが通報した直後の時間帯には、付近の路上で携帯電話を耳に当てて通話しているような男の姿も写っており、警視庁青梅署捜査本部は事件に関与した可能性も視野に調べている。
小川さんは14日午前1時55分ごろ、「泥棒に入られたようだ」と110番通報し、約15分後に青梅署員が到着するまでの間に襲撃されたとみられている。
関係者によると、付近の防犯カメラで同0時50分ごろから銀色のセダン型車両が小川さん宅周辺を徐行して往復する様子が確認され、署員到着前の同2時過ぎには白いセダンが通過していた。近隣住民によると、普段この時間帯は人通りがほとんどなく、1時間に数台の車両が通る程度だという。
また、付近の路上では110番通報から約3分後に、マスクをつけた黒ずくめの男が携帯電話を使用しながら歩いていた。小川さんは通報時、犯人の男が小太りの中年で、青いジャンパーと白い帽子、マスク姿だったと説明しており、捜査本部は画像の確認を進める。
小川さんはダイニングキッチン入り口付近の固定電話から通報したが、発見時はこの部屋の奥で横向きに倒れ、受話器は置かれた状態だった。上下ともグレーのスエット、スリッパを着用しており、捜査本部は小川さんが就寝中、物音に気付いて目を覚まして通報したとみている。
小川さんは約10年前から1人暮らし。近隣住民によると、多額の現金を所有しており、知人らに1億円入りのアタッシェケースを見せるなどしていた。