(CNN) アディソン・ストックさんは、パイロットの父親に空港から自宅までの送迎を頼んだ時、きっと期待に応えてくれると分かっていた。
「父が来ると『ああ、もう安心だ』と思えるんです。父はずっとそういう人で、いつも駆けつけてくれるんです」とストックさんはCNN Travelに語った。
しかし、今回は予想をはるかに超える形で「迎え」が実現した。
8月初め、ストックさんは新婚の夫クインさんとメキシコのカンクンでの「完璧」なハネムーンから帰国するところだった。2人は、米アリゾナ州フェニックスの到着口で、サウスウエスト航空のパイロットであるストックさんの父ジョン・アービンさんが車を用意して待ってくれていると思っていた。
しかし、2人はまず満員の帰国便に耐えなければならなかった。休暇の最終日を満喫するのに夢中で、前日にチェックインを忘れていたためだった。2人は割り当てられていない座席の列の最後尾に並んでおり、離れて座ることになるだろうと考えた。
カンクンの搭乗口で頭痛に耐えながら待っていたストックさんは、近くで携帯電話を見つめるサウスウエスト航空のパイロットの姿に気づいた。ストックさんは「奇妙な行動だ」と思った。
ストックさんが別の方向へ目を向けると、人生最大の驚きに遭遇した。制服姿でニヤリと笑みを浮かべながら近づいてきたのは自分の父親だった。
「まるで自分の体験ではないような感覚でした。空港に父がいるなんて全く予想していなかったから」とストックさんは振り返る。
ストックさんはもうひとりのパイロットに目を向けた。パイロットはこの瞬間をスマートフォンで撮影していた。そのときになって、ストックさんはようやくピンときた。アービンさんはフェニックスの空港に迎えに行くのではなく、飛行機で娘夫婦をフェニックスへと運ぶつもりだったのだ。
クインさんはすぐに状況を理解してアービンさんに抱きついたが、ストックさんは驚きのあまりしばらく座ったまま。それからようやく跳び上がって父親に抱きついた。
「本当に楽しかった。旅行と結婚式シーズンの最後を締めくくる最高の方法でした。とても特別な気持ちになりました」とストックさんは語った。