8月23日(土)~24日(日)に韓国の李在明(イジェミョン)大統領が来日し、石破首相との首脳会談に臨んだ。韓国は、昨年から国政が大混乱に陥っていた。
尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領は夫人の収賄疑惑などで支持率が急落するなか、昨年12月に非常戒厳を宣布。今年1月に内乱罪で起訴され、4月4日に弾劾訴追案が可決されて、即日、大統領を罷免された。
その結果、急遽行われた大統領選挙で当選したのが、野党「共に民主党」の李在明氏だ。
少年工から弁護士、そして大統領という苦労人の側面が強調されるが、過去には「日本は敵性国家」など過激な物言いに“韓国のトランプ”とも揶揄されていた李大統領。
一体、どんな人物なのか? 韓国出身の作家・シンシアリー氏の新著『韓国リベラルの暴走』(扶桑社新書)から抜粋し、今後の日韓関係の行方を占う。
李在明という人物
2025年6月4日、李在明氏が韓国の大統領に就任しました。前の大統領が弾劾・罷免されたので、選挙翌日に就任です。
詳しいことはこれから少しずつ記しますが、一般的に「左派」とされる李在明大統領はどんな人でしょうか。
少年時代から工場に通うなど、貧しい成長期を過ごし、法律を勉強して成功し、政治家になり、大統領にまで上り詰めた男。こうして書くと、本当に立派なものです。
同時に、別の側面を見てみると、各種法律違反でいくつも裁判を受けていて、まだ裁判も終わってないのに大統領になりました。
大統領選挙に出るのは別に違法ではありませんが、他の国なら、裁判を受けている時点で、すでに大統領選挙に出馬しなさそうなものです。こういうところを見ると、反語的に「立派」です。
しかし、本書で私が書きたい「彼」の人物像は、そうした彼の波乱の人生を描く感動ストーリーではありません。良い側面も悪い側面も、どこで生まれてどう育ってなど、そんなふうに書くと、それはかなり厚い本になってしまうでしょう。
ですから、本書のテーマに沿って「彼はどういう人なのか」を考える必要があります。