平日昼の人気バラエティ番組「ぽかぽか」(フジテレビ系)でMCを務めるお笑いコンビ・ハライチの澤部佑(39)が8月15日から19日にかけて夏休みを取得しました。しかし、その間代打を務めた先輩MCたちのパフォーマンスが予想外の高評価を集め、番組の視聴率にも微増が見られるなど、澤部にとっては複雑な心境を抱く夏休みとなったようです。
今回のMC交代劇は、単なる休暇代理に留まらず、ベテラン芸人たちの長年の経験と生放送におけるMCスキルが改めて浮き彫りになる機会となりました。視聴者は彼らの手腕をどのように評価し、それが今後の「ぽかぽか」、ひいては澤部佑のMCスタイルにどのような影響を与えるのでしょうか。
澤部佑、夏休みと歴代代打MCの顔ぶれ
澤部佑が「ぽかぽか」で夏休みを取るのは今回が二度目です。番組が2023年1月9日にスタートして以来、彼はその年の9月にも一度夏休みを取得していました。今年の代打MCは、8月15日(金)に中山秀征(58)、18日(月)に坂上忍(58)、そして19日(火)にはお笑いコンビ・ずんの飯尾和樹(56)が務めました。いずれも澤部よりも20歳ほど年上のベテラン勢です。
過去の夏休みでは、アンガールズの田中卓志(49)、爆笑問題の田中裕二(60)、おぎやはぎなどが代役を務めてきましたが、特筆すべきは坂上忍で、これまでの澤部の夏休み代打に「フル出場」しています。民放プロデューサーは「3人とも好評で、澤部にとっては複雑な夏休みになったかもしれません」と語っています。
澤部佑が夏休みを取得し、番組「ぽかぽか」のMCを先輩芸人たちに託した際の様子。
ベテランMC陣が示した生放送の魅力
今回の代打MC陣は、それぞれが持つ独自の魅力とMCスキルで視聴者を惹きつけました。
中山秀征:長年の経験が光る懐の深さ
初日の代打を務めた中山秀征は、ハライチと同じワタナベエンターテインメント所属の先輩です。番組冒頭では、岩井勇気が「うちの事務所、トップが来てくれました!」と紹介し、中山自身も「澤部が休むと私が来るというシステム」と冗談めかして発言しました。彼が澤部の代打を務めるのは今回が初めてですが、昨年岩井が夏休みを取った際には代打MCを務めています。民放プロデューサーは彼のMCぶりを次のように評価します。
「中山さんは芸歴も長く、年の功もあってゲストとの距離感が非常に近い。先輩や大御所、ジャンル違いのゲストであっても、相手の懐に入り込んでトークを膨らませることに長けています」
その安定感と巧みなゲスト対応は、長年の経験に裏打ちされたベテランならではの強みと言えるでしょう。
坂上忍:「バイキング」での実績と生放送の醍醐味
2日目のMCとして登場した坂上忍は、「ぽかぽか」の“サブスクレギュラー”を打診されたと公言するほど番組との縁が深く、過去にはハライチと神田愛花アナウンサー全員が休んだ際に急遽代役を務めた経験もあります。彼はフジテレビの昼帯番組「バイキング」「バイキングMORE」で8年間にわたりMCを担当した実績を持ちます。
「アンチ坂上も少なくないものの、台本にない笑いや生放送ならではのドキドキ感、ハプニングを楽しむ進行で、予定調和をぶち壊すMCぶりはスタッフの思惑以上だったと思います」と民放プロデューサーは評します。予測不能な展開を演出し、視聴者を飽きさせない坂上忍のMC術は、生放送番組において特に重要視される要素です。
ずん飯尾和樹:ロケ芸人ならではの予測不能な展開
3日目の代打MCは、ロケ芸人として定評のあるずんの飯尾和樹でした。彼が生放送のMCを務める機会は多くありませんが、やはり「何を言い出すのかわからない予定調和崩しはお手の物」。民放プロデューサーは「ドキドキ感のある放送は見応えがありました」と語り、飯尾の独自のユーモアセンスと予測不可能な言動が、番組に新鮮な風を吹き込んだことを示唆しています。
澤部佑に求められるMC力と今後の展望
今回の代打MC陣が高評価を得た一方で、澤部佑にとっては「海千山千の先輩たちと比較されるのはつらいところでしょうが、昼帯の生放送のMCとして学ぶべきところが少なくなかったはずです」という厳しい見方も出ています。
もちろん、澤部佑もMCとして確かな定評があります。フジテレビの旅バラエティ「なりゆき街道旅」では、お笑いトリオ・ハナコがMCを務めるようになって以降、先代MCである澤部のほうが良かったと再評価されたほどの力量の持ち主です。
しかし、生放送においては、台本通りに進めるだけでなく、共演者とのトークを楽しみ、ハプニングやアドリブでその場を盛り上げるMCテクニックが特に重視されます。民放プロデューサーは「そこが澤部にはまだないところかもしれません。澤部は頑張ってはいるのですが、ゲストとのトークを楽しむ“ぽいぽいトーク”も予定調和感がありありで、いまいち盛り上がりに欠ける印象です」と指摘。実際、代打MCの期間には視聴率が微増したことから、「普段の澤部たちの司会ぶりに物足りなさを感じている視聴者も少なくない」という現実が浮き彫りになりました。
この経験は、澤部佑がMCとしてさらなる成長を遂げるための貴重な機会となるでしょう。「ぽかぽか」という生放送の舞台で、いかに自身の個性を発揮し、予測不能な面白さを生み出すか。ベテラン勢のパフォーマンスから得たヒントを活かし、今後の彼のMCスタイルがどのように進化していくのか、視聴者の期待が集まります。