今田美桜が主演、北村匠海が準主演を務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』が、放送終盤に向けて視聴者の熱気を集めています。特に第22週では、5回中3回で世帯視聴率17%を超えるなど、視聴率が右肩上がりの傾向を見せており、その人気の高まりが顕著です。国民的キャラクター『アンパンマン』の生みの親である漫画家やなせたかしさんと妻の小松暢さん夫妻をモデルにした本作は、暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶ(今田)と、やなせさんをモデルにした柳井嵩(北村)が織りなす物語です。物語は現在、昭和42年(1967年)を舞台に展開されており、第26週(9月22日〜26日)で最終回を迎える予定となっています。
高まる視聴熱:蘭子と八木信之介の繊細な恋模様
『あんぱん』が終盤に差し掛かるにつれ、シナリオの評価は非常に高く、視聴者の間ではいくつかの「最終回までに絶対に描いてほしい」という声が上がっています。その中でも特に注目されているのが、ヒロインの妹・蘭子(河合優実)と、「九州コットンセンター」を経営する八木信之介(妻夫木聡)の恋の行方です。蘭子は、結婚を約束した青年・豪(細田佳央太)を戦争で亡くした過去から恋愛に消極的でしたが、八木もまた戦争で妻子を失うという悲劇を経験しています。本好きという共通の趣味や文化的な一面が互いを惹きつけ、二人は次第に意識し合うようになっていきました。
NHK連続テレビ小説『あんぱん』に出演する河合優実。ヒロインの妹・蘭子として物語の鍵を握る
9月4日放送回では、引っ越しの準備をしていた蘭子の部屋を八木が訪れるシーンが描かれました。帰り際に雨が降り始め、蘭子が傘を渡そうとするも、「君が濡れるだろう」「いえ、いいんです」というやり取りの中で二人の手が触れ合う、非常に心温まる場面がありました。この回以降、二人の関係はさらに深まっている様子がうかがえ、視聴者からは以下のような声が多数寄せられています。
- 「朝ドラあんぱん、蘭子と推しの八木さんの恋の行方が気になりすぎて、全然本編入ってこんから、早くどうなるか教えて欲しい笑」
- 「蘭子と八木の恋の行方はどうなる?」
- 「今日のあんぱん。蘭子と八木。社内であんな見つめ合ってたらバレバレ笑」
これらのコメントは、蘭子と八木の恋愛が視聴者にとって大きな魅力の一つであり、彼らの行く末が最終回に向けての大きな期待となっていることを示しています。
国民的ヒーロー「アンパンマン」誕生までの道のり
蘭子と八木の恋の行方とともに、視聴者が『あんぱん』に注目しているもう一つの重要な点は、やはりアンパンマンが国民的作品になるまでの過程がどのように描かれるかという部分です。残された放送回数は少ないものの、史実に基づけば、まもなく国民的ヒーロー・アンパンマンのプロトタイプとも言える作品が世間に発表される展開となるはずです。そして、そこから紆余曲折を経てアニメ化に至るまでの流れも詳細に描かれることが期待されています。
アンパンマンの原点は、1969年10月号の青年誌『こどものえほん』(PHP研究所)に掲載された短編作品『アンパンマン』に遡ります。この初期のアンパンマンは小太りのおじさんの姿をしており、物語には「カッコいいヒーロー」へのアンチテーゼが込められた大人向けの作品でした。その後、1973年(昭和48年)に「顔があんぱんのヒーロー」として子ども向け作品『あんぱんまん』(フレーベル館)が発表され、カタカナ表記に変更されてシリーズ化されます。そして、1988年(昭和63年)にアニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)が放送開始され、現在に至るまで幅広い世代に愛され続けています。初代『アンパンマン』誕生からアニメ化まで、実に20年以上の歳月がかかっているのです。
結びに
NHK連続テレビ小説『あんぱん』は、最終回に向けて蘭子と八木信之介のロマンス、そして国民的ヒーロー「アンパンマン」の誕生秘話という二つの大きな軸で視聴者の期待を一身に集めています。実在の夫婦をモデルにした温かい物語の中で、彼らの愛の行方と、やなせたかしが「アンパンマン」という希望の象徴を生み出すまでの苦悩と情熱がどのように描かれるのか、注目が集まります。これらの要素が織りなすドラマは、きっと多くの視聴者の心に深く刻まれることでしょう。