なかやまきんに君、元マネージャー詐欺事件で一転1.6億円集団訴訟の被告に

お笑いタレントのなかやまきんに君(46)が、かつてのマネージャーが引き起こした詐欺事件を巡り、被害者から一転して巨額の集団訴訟の被告となっていることが報じられ、波紋を広げています。『現代ビジネス』(講談社)が8月31日に配信した記事によれば、きんに君に対し、1億6,000万円もの損害賠償を求める集団訴訟が起こされているとのことです。この訴訟は、きんに君が悪事に直接加担したわけではないものの、元マネージャーとの「関係性」や、騒動後の対応が問題視された結果として発展したものです。

元マネージャー逮捕と詐欺事件の背景

今回の騒動の発端となったのは、きんに君の元マネージャーである飯尾雄一容疑者の逮捕です。飯尾容疑者は8月7日、きんに君が代表を務める個人事務所「333(ササミ)」から800万円の資金を騙し取った詐欺容疑で逮捕されました。きんに君サイドは昨年6月には被害届を提出しており、当初は信頼していたマネージャーに裏切られた被害者として同情の声が集まっていました。

飯尾容疑者ときんに君は、約15年前に知り合い、飯尾容疑がきんに君のパーソナルトレーナーを務める間柄でした。きんに君が2021年末に吉本興業を辞めて独立した際、飯尾容疑者をマネージャーとして雇用したと報じられています。しかし、飯尾容疑者には過去にも実態のない事業で出資金を募り、逃亡を繰り返す常習的な詐欺師としての前科がありました。24年8月発売の『週刊文春』(文藝春秋)では、「きんに君プロデュースのプロテイン製造資金」と称して約10人の出資者から総額3億円を集め失踪したことが報じられています。また、その4年前にはクレジットカード決済代行会社への出資詐欺で、被害総額30億円を騙し取って姿を消した過去も複数のメディアによって伝えられていました。

集団訴訟の渦中にいるタレント、なかやまきんに君の姿集団訴訟の渦中にいるタレント、なかやまきんに君の姿

被害者から被告へ、なぜきんに君は訴えられたのか

飯尾容疑者の逮捕当初は「信頼する部下に裏切られた」と見られていたきんに君ですが、状況は大きく変化しました。前述の『現代ビジネス』の記事によれば、きんに君が飯尾容疑者の被害者に対し、「自分のスタッフ」が迷惑をかけたにもかかわらず、きちんとした謝罪を行わず、自身も被害者であるという姿勢を前面に押し出したことが問題視されています。その後、損害補填に関する返答をせず、連絡も途絶えたことから、被害者たちは集団訴訟に踏み切ったと、被害者とされるA氏とB氏が証言しています。

両名が24年12月に訴状を提出した2ヶ月後、きんに君は「飯尾はウチの社員ではありません。なので関係はありません」という旨の書面を被害者らに送付したとされます。これは、飯尾容疑者の立場が厳密にはマネージャーではなく「マネージャーの補助業務」であるため、きんに君には使用者責任が問われないという主張であると推測されます。

『現代ビジネス』の問い合わせに対し、きんに君の個人事務所「333」の担当者は「原告から訴訟を提起されていることは事実です」と回答しています。また同記事では、裁判所からの提案で「飯尾の雇用契約書を(被害者に)提出してください」という要請があったにもかかわらず、飯尾容疑者からも、個人事務所からも提出がなかったことも報じられており、今後の裁判の行方が注目されています。

まとめ

なかやまきんに君が、元マネージャーの詐欺事件を巡り、これまで被害者という立場であったところから一転、1億6,000万円もの損害賠償を求める集団訴訟の被告となったことは、世間に大きな驚きを与えています。飯尾容疑者の過去の詐欺行為、きんに君との雇用関係の曖昧さ、そして騒動後のきんに君側の対応が、訴訟へと発展した主な要因と見られます。この複雑な事態が今後どのように展開していくのか、その動向に注目が集まります。

参考文献

  • Yahoo!ニュース(『現代ビジネス』講談社配信):なかやまきんに君、元マネジャー巨額詐欺トラブルで「1億6000万円集団訴訟」の被告に…事務所も提訴の事実認める
    • URL: https://news.yahoo.co.jp/articles/70776eebed5ecde91e70e755e9d97b9935c06742