【ベルリン時事】ドイツ西部の世界遺産ケルン大聖堂は6日までに、神奈川大学(横浜市)から、建物を飾る彫像が寄贈されたと発表した。
【写真】神奈川大学の寄贈でケルン大聖堂に設置された彫像を指す関係者ら
2016年に訪独した同大の学生が大聖堂に落書きをした問題を受け、同大が謝罪と共に寄付した1万ユーロ(約170万円)が制作費などに充てられた。地元紙は「落書きが彫像に転じた」と驚きをもって伝えた。
寄贈されたのは、外壁からせり出して雨どいの機能を持つ彫像。「ガーゴイル」と呼ばれ、怪物のような姿をしている。第2次大戦で破損した19世紀製のものと交換する形で、昨年11月に南側外壁の高さ約20メートルの位置に設置された。
大聖堂側は「落書きは残念ながらドイツでは珍しいことではない」と日本で騒動になったことに驚きつつ、神奈川大の対応に謝意を表明。「事の始まりにもかかわらず、良い関係が生まれた」と交流の拡大を喜んだ。