今年7月の参議院選挙で「参政党ブーム」を巻き起こし、「保守の新星」として急速に台頭した参政党の神谷宗幣代表(47)が、韓国メディアとの初の単独インタビューに応じ、自身の政治哲学と党の主要政策について語りました。神谷代表は「私は極右ではない」と断言し、党の根幹にあるのは「反グローバリズム」であると強調。日本人としての誇りと自主決定権の保護を訴えつつ、移民政策や日本の防衛に関する大胆な提言を展開しました。
参議院議員会館で韓国メディアの取材に応じる参政党の神谷宗幣代表
「極右」批判への反論と「日本人ファースト」の真意
神谷代表は、これまで反移民感情や国粋主義を刺激する発言で「極右」と評されることがあったものの、自身は極右ではないと否定。「リベラルメディアが私の言葉の前後を切り取って攻撃した結果、かえって保守層が結集した」と述べました。また、安倍晋三元首相の死去後、自民党内の保守色が薄まったことで、参政党がその空白を埋める形になったとの認識を示しています。
「日本人ファースト」の理念についても、「外国人を差別しようというわけではない。対等な関係を築くことだ」と説明。「日本人としての自負と自主決定権を守り、外国人には外国人として同じ権利を認めること」がその真意であると語りました。
移民政策への強い抵抗と国家安全保障
神谷代表は、移民に対する強い抵抗感を隠しませんでした。日本は直ちに移民受け入れを止めるべきだと主張し、「このままでは外国人比率の限界点である10%にすぐに到達する」と警鐘を鳴らしました。さらに、日本の安全保障のためには「スパイ防止法」の制定が不可欠であるとし、外国資本、特に中国による日本の不動産買収を他の先進国のように規制すべきであると提言しました。
トランプ政権に共鳴する「反グローバリズム」の哲学
神谷代表は、米トランプ政権のような「反グローバリズム」の立場を支持しています。グローバリズムが多国籍大企業への資本集中を促し、中間層を貧困にするという見解を示し、「グローバリズムが全て悪ではないが、行き過ぎにはブレーキをかけなければならない」と述べました。トランプ氏の関税政策には日本の不利益につながるとして反対しつつも、「MAGA(米国を再び偉大に)」というスローガンが、米国らしい価値を守り、中産階級を豊かにしようとするものである点には共感を示す意向を表明しました。
国防と核議論への新たな提言
日本の歴史と文化を誇りに思い、日本の自衛権を拡大すべきだという考えを持つ神谷代表は、日本の核保有についても長期的には議論が必要であると主張しました。これは、日本の徹底した非核化原則に反する意見です。同代表は「核兵器は無くなるべきだが、現実では(戦争)抑止力になるのが事実だ」と述べ、日本がいつまでも米国の軍事力の傘の下にあることは主権国家として妥当ではないとの見解を示しました。「これまでそんな議論すらなかった」とし、もし韓国で核保有が議論されるならば、日本も議論すべきだと語りました。
まとめ
今回の韓国メディアとのインタビューで、参政党の神谷宗幣代表は、「極右」とのレッテルを否定しつつ、自身の「反グローバリズム」という政治的立場を明確にしました。日本の移民政策の停止、スパイ防止法の制定、外国資本による不動産買収規制の必要性を訴え、トランプ政権の政策に共鳴する部分を表明。また、日本の防衛における自衛権拡大や核保有に関する議論の必要性にも言及するなど、日本の政治・社会における新たな潮流を形成しようとする参政党の姿勢と神谷代表の思想が浮き彫りになりました。