女性皇族が成年になると慣例として作られるティアラ。天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまの場合、2021年に成年皇族の仲間入りをした際、製作を見送られていた。4年が経ち、宮内庁が公表している26年度の予算(令和8年度概算要求)にも愛子さまのティアラ製作費用は計上されていないという報道があった。このまま愛子さまのティアラは製作されないのではないか。皇室解説者の山下晋司さんが「事情」を解説する。
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21年12月、20歳になられた愛子さまは成年皇族の仲間入りをされたが、ティアラの製作を辞退された。その当時はコロナ禍で、苦しい状況に置かれた国民の気持ちを考えてのことだった。今年8月に宮内庁の概算予算が公表になったが、26年度も愛子さまのティアラ製作費は計上されていないとの複数の報道があった。秋篠宮ご夫妻の次女で14年12月に成年を迎えられた佳子さまのティアラの製作費用については、12年度に計上されていた。
愛子さまのティアラは「6度目の辞退」になるとみられる。4度目の辞退の際、その理由は、国民生活に物価高の影響が生じていることを受けた両陛下の意向だと報じられている。4度目の辞退のときも5度目も、そして6度目となる26年度も景気はさほど変わらない、終わりの見えない物価高という状況下。このままでは愛子さまのティアラは製作されないのではないか、といった心配の声も出てきそうだ。
宮内庁に23年間勤務し、現在は皇室解説者の山下晋司さんは「愛子内親王殿下もご自分のティアラをお作りになったらいいのにとずっと思っていますが……」と前置きしたうえで、女性皇族が身に着けるティアラは、歴史的流れのなかで、製作にあたって私費なのか国費なのかを含め、決まりはなく、非常に曖昧な部分が多いと話す。
■黒田清子さんからお借りしているティアラ
愛子さまが現在、新年祝賀の儀などで着用されているティアラは叔母の黒田清子さんからお借りしているもの。このティアラは、私的経費の「内廷費」で製作された。 それ以降は、国費である「宮廷費」で製作するようになったと山下さんは解説する。