高市政権発足から約2週間が経過し、連日、政治家や有識者の間で活発な議論が交わされています。しかし、不用意な発言がSNSでの炎上騒ぎへと発展するケースも少なくありません。先日、元衆院議員の宮崎謙介氏が自身のX(旧Twitter)で鳥取県の現状に言及し、石破茂前首相を批判。この投稿が大きな波紋を呼び、瞬く間に激しい批判の的となりました。本稿では、この一連の騒動について、宮崎氏の発言の経緯、その“真意”とされた弁明、そして世間の反応を詳しく見ていきます。
宮崎氏のX投稿と「地方創生」批判の背景
政治家 石破茂氏が会見中に発言する様子。宮崎謙介氏の発言を巡る論争の中心人物の一人。
《先日、人生で初めて鳥取県に行ってきた。石破茂氏のお膝元。鳥取の皆様には申し訳ないが、鳥取駅前の活気のなさ、インフラ整備がなされてないことから、政治家の力がないことを実感してきたところ。総理を経験されて、さすがに目が覚めたのではないかと思ったのだが》(以下、《》内は原文ママ)
11月1日、宮崎謙介氏は自身のXでこのように投稿しました。添付されたのは同日配信の産経新聞記事「『もう始まった…』石破氏が『後ろから鉄砲』解禁か 高市政権批判も党内『丁寧な無視で』」です。この記事は、石破氏が10月30日の中国新聞のインタビューで高市政権の連立離脱やコメ政策への方針転換を批判したことに対し、党内外の政治家から苦言が呈されている状況を取り上げていました。宮崎氏の投稿は、他の政治家と同様に石破氏の実力不足を指摘する意図があったとされますが、「鳥取駅前の活気のなさ」など特定の地方都市を貶めるような表現が、世間の強い反発を招く結果となりました。
弁明ブログで“真意”を説明も、世間の反発は強まる
宮崎氏の投稿には瞬く間に批判が殺到し、SNS上で大炎上を招きました。数々の厳しい声を受け、宮崎氏は2日、Xで《言葉足らずで申し訳ないです。詳細を綴りました。以後気をつけます、と言いつつも、また誤解の誤爆をしたらごめんなさい》と陳謝。自身の言葉の“真意”を説明するブログを添付しましたが、その内容がさらなる批判の火種となり、「火に油を注ぐ」結果となってしまいました。
ブログで宮崎氏は、まず石破氏が高市政権発足直後に「政権の足を引っ張るような発信」をしたことに違和感を表明し、総理経験者の「後ろから鉄砲」批判への異議を唱えました。次に、石破氏が初代地方創生担当大臣であったにもかかわらず、地元鳥取の発展が見られないことへの失望を表明。「私の期待は大きく裏切られた」と述べつつ、初代大臣の「力の入れ具合」を問うたかったと補足しました。視察地が鳥取駅前であったことを明かし、地元住民からも石破氏への不満や地域の発展不足について意見を聞いた結果、「鳥取のインフラ整備・地域活性化の観点から明らかに政治の怠慢がある」と結論付けたことを綴っています。
文章の後半では、鳥取県住民に詫びながらも「客観的に現実を見ていただき受け入れていただきたい」と主張。「政治は夢を実現する手段」という恩師の教えを引用し、国民の負託を受けた政治家は「結果を出さねばならない」と持論を展開しました。
止まらない批判の声:SNSユーザーからの辛辣なコメント
宮崎氏の1000文字以上にわたる“真意”説明にもかかわらず、読者の多くは納得しませんでした。Xでは再び、宮崎氏に対する辛辣な声が寄せられています。
《鳥取出身の者ですが、内容読んでも一切納得出来るものではありませんでした。そして内容についても、最後の「どうぞ客観的に現実を見て受け入れて」との言葉に、はらわたが煮え繰りかえるとはこの言葉かと思いました。謝罪する気ないなら申し訳ないとか言わないでください。2度と鳥取に来るな!!》
《石破さんの印象を悪くしたいが為に鳥取を侮辱するなんて本当に恥知らずな方ですね。そもそも車社会である地方の駅前を評しても意味がないです》
《言葉足りたらさらに喧嘩売ってんやん》
結論
宮崎謙介氏の一連の発言と、その後の弁明が招いた大規模な炎上騒ぎは、政治家のSNS利用における難しさを改めて浮き彫りにしました。特定の地域や人物への言及が、意図せずとも大きな反発を招きかねない現代において、発言の影響を深く考慮することの重要性が強く問われています。本件は、情報が瞬時に拡散されるデジタル時代における、政治家のあるべき発言のあり方、そして地域への配慮という点において、重要な一石を投じることになるでしょう。





