aespa紅白初出場で再燃する「キノコ雲ランプ」論争:公共放送の適格性を問う

NHKは11月14日、『第76回紅白歌合戦』の出場アーティストを発表し、若者を中心に絶大な人気を誇る4人組多国籍ガールズグループ「aespa(エスパ)」の初出場が決定しました。日本と韓国で既に確固たる人気を築いてきた彼女たちですが、メンバーが過去に投稿した「キノコ雲型ランプ」の写真が再び脚光を浴び、公共放送の舞台に立つこの重要なタイミングで、その適切性を巡る議論が日本社会に広がっています。

紅白初出場、その裏で再燃する「キノコ雲ランプ」論争

aespaは2020年に韓国でデビューして以来、「かわいい」と「カッコイイ」が融合した独自のパフォーマンスで瞬く間にブレイクを果たしました。2023年にはミニアルバム『MY WORLD』が発売1週間で169万枚を売り上げる大ヒットを記録し、その勢いは止まりません。2024年にリリースされた『Supernova』や『Whiplash』は、国内でのストリーミング累計再生回数が1億回を突破。日本デビュー前にもかかわらず東京ドーム公演を成功させ、アメリカのビルボードでは「2024年ベストK-POPソング」にも選出されるなど、その功績は目覚ましいものがあります。NHKでも8月30日放送の音楽番組『Venue101』でスタジオライブを披露し、SNSで大きな反響を呼んだことから、今回の紅白歌合戦への選出は妥当であると報じられています。

しかし、その一方で、aespaを巡る過去の出来事が予期せぬ形で再び注目を集めています。問題の発端は、中国人メンバー・ニンニンが2022年にファン向けアプリに投稿した一枚の写真でした。そこにはキノコ雲のような形状のランプが写っており、「可愛いライトを買ったよ〜〜〜どう?」というコメントが添えられていました。本人は純粋にデザインの面白さやインテリアとしての魅力を伝えたかったのかもしれませんが、広島や長崎といった被爆地を抱える日本では、キノコ雲の形そのものが特別な、そして非常に繊細な感情を呼び起こす象徴です。

aespaメンバーの公式インスタグラム写真aespaメンバーの公式インスタグラム写真

この投稿は、aespaの紅白出場が濃厚になったというニュースをきっかけにSNSで再び拡散され、原爆を想起させるモチーフを「可愛い」と表現したことが「不適切ではないか」、そして「公共放送の舞台に立つアーティストとしてふさわしいのか」という趣旨の意見が多数上がっています。

aespaメンバーのニンニンが投稿したキノコ雲型ランプの写真aespaメンバーのニンニンが投稿したキノコ雲型ランプの写真

「戦後80年」という節目と過去のK-POPグループの事例

画像がSNSで再注目されたのは、今回の紅白歌合戦が「戦後80年」という節目の年をフィーチャーする可能性が高いと見られていることと、そのタイミングが悪く重なったことも大きな要因です。今年の司会は広島出身の有吉弘行と綾瀬はるか、そして番組のトリを長崎出身の福山雅治とMISIAが務める可能性が高いと報じられており、被爆地を象徴する顔ぶれが並びます。このような構図の中で、過去に「原爆を想起させる投稿」で物議を醸したアーティストが出演することに対し、複雑な思いを抱く視聴者も少なくないかもしれません。

K-POPアーティストを巡る同様の議論は、今回が初めてではありません。2018年には、人気グループBTSのメンバーが原爆を描いたTシャツを着用していたことが問題視され、日本の音楽番組への出演が中止となる事態に発展しました。当時BTS側は「意図的ではなかった」と釈明し、最終的には日本のファンに向けて謝罪コメントを発表しましたが、この問題は国際的な話題にまでなりました。

aespaは来年、初の日本ドームツアーも控えており、紅白出場を機にこの炎上がさらに拡大すれば、過去のBTSの事例と同様に何らかの対応を迫られる可能性も考えられます。文化的な背景の違いから生じる認識のズレが、国際的なアーティスト活動においていかに重要であるかを改めて浮き彫りにしています。

まとめ

絶大な人気を背景に『第76回紅白歌合戦』への初出場を決めたaespaですが、メンバーの過去の「キノコ雲型ランプ」投稿が再燃し、特に「戦後80年」という節目を迎える紅白の舞台でのその適格性が問われています。被爆地出身の司会陣や終戦記念というテーマが重なる中、この論争はK-POPグループにとって前例のないものではなく、過去のBTSの事例から見ても、今後の彼らの活動、特に日本市場での活動に大きな影響を与える可能性があります。文化的な感受性を尊重し、国際的な活動における配慮の重要性が改めて示された形です。

参考文献:

  • 週刊女性PRIME / Yahoo!ニュース (Source link for the original article)

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