「戦争すれば失うものが多すぎる」中国人YouTuberポーちゃん、日中関係の緊張に本音を吐露

日本で活動し、チャンネル登録者22万人を超える人気中国人YouTuberのPooちゃん(以下、ポーちゃん)が、日中関係の悪化と台湾有事の可能性に対し、自身のYouTubeチャンネルで懸念を表明しました。普段は政治的な発言を控えているポーちゃんが、「そんなに戦争したいのか?って思う。だって戦争したら、必ず、なんだろう……得るものより、失うものが多いから」と語った動画は、公開からわずか数日で27万回以上再生され、多くの注目を集めています。

日中関係悪化の背景と台湾有事への懸念

最近の日中関係は、台湾情勢を巡る日本政府高官の発言が中国側の反発を招くなど、緊張が高まっています。衆院予算委員会では、立憲民主党の岡田克也衆院議員が台湾有事の際、日本が「存立危機事態」に該当する状況について質問。これに対し、高市早苗首相が「(中国が)戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうる」と答弁し、中国側は発言の撤回を求める事態に発展しました。

さらに、中国の薛剣駐大阪総領事がSNS上で過激な投稿をするなど(現在は削除済み)、ネット上でも応酬が繰り広げられ、両国間の感情的な溝が深まる兆候が見られます。こうした状況をポーちゃんは「正直、俺政治のことマジでわかんねぇから、どっちが正しいか何とも言えない」と前置きしつつも、「最近、戦争を望む方が結構いて。それを見て『ちょっとヤバいな、この世の中』って思ったの」と率直な不安を吐露しました。

中国人YouTuberポーちゃんが日中関係の悪化と台湾有事への不安を語る中国人YouTuberポーちゃんが日中関係の悪化と台湾有事への不安を語る

メディアの煽りが生む憎悪感情への疑問

ポーちゃんは、同じ出来事でも「中国側の記事と日本側の記事、全く違う意味で一般人に伝わっている」と指摘。両国のニュースを比較して読める自身の立場から、「なんでこんなにメディアはお互いの憎しみ合う感情を煽るのかなって思ってんだよな」と強い疑問を投げかけました。インターネット上では「もし戦争が起きたらどちらが勝つか」といった意見も目にするといい、そうした好戦的な論調に「ゾッとするの」と恐怖心を語っています。

一般市民が被る最大の被害

現在の緊張状態について、ポーちゃんは「今、俺たちがやるべきことは頑張って、戦争に行かないようにするしかないんです」と力説し、「物騒なニュースとかに踊らされないようにしてほしい」と平和への願いを訴えました。

もし万が一、戦争が起きた場合の影響についても深く言及。「人生を日本に託した方たちとかいるじゃん。家族全員、日本で生活したり。で、視聴者のコメントをたまに見ると、中国で20年間くらい住んでる方とかもいますし……。そういう人はどうすればいいの? 本当に戦争のために自分たちの人生を諦めるのかって。だって、絶対望んでないじゃん、そんな人たち」と、両国で生活基盤を築いている人々の立場を慮る発言をしました。

ポーちゃんは、ネットの世界では誰もが自由に意見を言える状況だが、「結局、もし本当に戦争になったら、一般人が一番被害を受けると思います」と自身の見解を述べています。メディアやSNSでの情報に冷静に向き合い、感情的な対立ではなく、平和的な解決を模索することの重要性を改めて示唆しました。