物価高騰対策として政府が提案する「おこめ券」の配布政策に対し、連日、各方面からの批判が止まらない。この政策を当初から提案していたのは、鈴木憲和農水大臣(43)だ。しかし、その高コストパフォーマンスや特定の団体への利益誘導の可能性が指摘されており、政策の是非を巡る議論は深まる一方である。
鈴木農水大臣が推進する「おこめ券」政策への批判が続く
鈴木農水大臣は就任当初の会見で、「物価高対策の中で、お米券やお米クーポンも含めて対応するのが今すぐにできることのひとつ」と述べ、おこめ券の導入を積極的に推進してきた。しかし、この政策は、一部報道で指摘される「経費率12%」という費用の高さに加え、コメ価格高騰対策としての効果が薄く、むしろJA(農業協同組合)への利益誘導に繋がりかねないとの批判が相次いでいる。鈴木大臣自身も、連日会見や国会審議で「火消し」に追われる状況だ。
鈴木憲和農水大臣
高市首相らの発言に見る政策への疑念
12月9日の衆議院予算委員会での質疑応答では、高市早苗首相(64)が「農水大臣が大好きなおこめ券かもしれない」と発言し、立憲民主党の山岡達丸衆議院議員(46)も「やはり非常にご執心であられるように見える」と指摘した。これらの発言は、「おこめ券=鈴木大臣」というイメージを世間に強く印象付けただけでなく、政策そのものへの疑念を深める結果となった。
政治評論家・田﨑史郎氏の見解と世間の反応
こうした状況の中、政治評論家の田﨑史郎氏(75)が情報ワイド番組『ひるおび!』(TBS系)に生出演し、おこめ券政策について自身の見解を述べた。田﨑氏は、MCの恵俊彰さん(60)から高市首相の発言の真意を問われると、「軽い冗談、ジョークと聞いている」と説明。高市首相が総裁選でコメに関心が薄かったことや、鈴木大臣が派閥人事の結果であり近い関係ではないことから、高市首相と鈴木大臣の関係性を解説した。
さらに、おこめ券を採用しない自治体が増えている理由について質問された田﨑氏は、「手数料が12%であること」と「メディアで評判が悪いこと」の二つを挙げた。「手数料がかかることを国民が知ってしまい、かつテレビやネットで否定的やおかしいといった取り上げ方をされている」と補足し、自治体の首長が住民からの疑問の声を避けるために採用を控えていると分析した。
しかし、この田﨑氏の発言を報じたネットニュースのコメント欄には、多くの疑問の声が寄せられた。「2点ではなく単純に手数料が高いという一点だけでは?」「メディアがどう言おうか判断するのは消費者で、なおかつメディア報道の中に手数料の話あるから。2点とした論理がよくわからん」「メディアのせいにするのはおかしい。メディアが誤解で批判しているならわかるけど」といった批判が相次ぎ、田﨑氏の見解に対して世間が強く反発している様子がうかがえた。
田﨑氏の発言を巡る過去の経緯と現在の評価
田﨑氏を巡っては、過去に自民党総裁選の結果を誤って予測し、「取材不足だった」と反省の弁を述べた後も、特定の政治家に対する不安を繰り返すなど、「世論を誘導しすぎ」との批判が集まっていた経緯がある。今回の発言も、論理的にはそこまで的外れではないとも言えるが、かつての経緯から、田﨑氏には「何を言っても炎上」という厳しい世間の目が向けられてしまっているのかもしれない。
おこめ券政策を巡る議論は、単なる物価高対策に留まらず、政策の透明性、費用対効果、そして政治とメディア、世論の関係性という多角的な側面を浮き彫りにしている。今後、政府が国民の信頼をどのように回復し、実効性のある対策を打ち出すかが注目される。





