【FNN】「韓国との関係は重要ではない」日本人、国民レベルで韓国スルー進行か…さらに拡大の可能性も[12/20]
改善のきっかけは…
政府は20日、各国との外交に関する国民意識を把握するため毎年行っている「外交に関する世論調査」の結果を発表した。そこで浮かび上がってきたのは、国民意識においても日韓関係が過去最悪の状態であることだ。
韓国への印象は過去最悪に
まず現下の日韓関係について良好だと思うか思わないかという設問で、「良好だと思う」と答えた人は去年(30.4%)より22.9ポイント減り、7.5%と調査開始以来、過去最低となった。同様に「良好だと思わない」と回答した人は87.9%と9割近い結果となった。
また、韓国に親しみを感じるか感じないかという問いでは、「親しみを感じる」と答えた人が、去年(39.4%)より12.7ポイント減って、26.7%と過去最低となり、「韓国に親しみを感じない」と答えた人は7割を超え(71.5%)、過去最多となった。
ちょうど10年前の2009年の調査では、韓国に親しみを感じる人が63.1%、親しみを感じない人が34.2%だった。それがこの10年間で韓国への親しみの有無はすっかり逆転し、それ以上の不信を招いている格好で、まさに異常な事態と言えるだろう。
「徴用工問題」などをめぐる韓国の抗議活動
政府関係者は今回の結果を、いわゆる徴用工をめぐる問題など、日韓政府の対立を踏まえた結果として「粛々と受け止める」としている。日本政府としては「一貫した立場に基づき、韓国側に賢明な対応を求めていく姿勢に変わりない」と、問題解決のボールは韓国側にあるとのスタンスだ。
アメリカ、ロシア、中国への印象は改善
日米首脳会談
韓国とは対照的に、他の国への印象については改善がみられた。
米国については、去年の調査では、トランプ大統領による貿易をめぐる日本への厳しい発言などを受け、「日米関係が良いと思う」と答えた人が、前年比10ポイント以上減少していた。ところが、今年は5.9ポイント増え80.2%と従来の水準まで回復した。日米貿易協定が締結され、貿易面で日米間のトゲが抜けたことが背景にあると評価できるだろう。「アメリカに親しみを感じる」と答えた人も78.7%(前年比+3.2)と微増し、日米関係の改善が伺える。
日露首脳会談
ロシアついての問いでは、「親しみを感じる」と答えた人が20.8%(前年比+3.1)、また「日ロ関係が良いと思う」と答えた人が26.4%(前年比+4.2)と、いずれも微増し、日ロ関係の若干の改善が読み取れる。
日中首脳会談(首相官邸HPより)
中国についても、「親しみを感じる」と答えた人が22.7%(前年比+1.9)、また「日中関係が良いと思う」と答えた人が19.4%(前年比+1.1)と、これまたいずれも微増していて、日中政府間の関係改善が反映されていると言えそうだ。
このように日本と米国・ロシア・中国については、諸懸案こそあるものの、いずれも国民意識の上では印象の改善が伺えた。そのため、今回の調査を通じて、韓国への印象の悪化が際立つこととなった。
日韓関係の発展が「重要」だと思う人の割合は…
このように日韓関係の悪化が反映された結果が出た一方、「日韓関係の発展が、両国や、アジア太平洋地域にとって重要だと思うか」との問いでは、去年(69.8%)より12.3ポイント減ったものの、57.5%と半数を超えた。悪化している日韓関係について、何とか改善を図っていくことが重要だと考える国民も多いということだ。政府関係者は、「課題を抱えているからこそ、日韓が交流し、国民感情を良くしていくことは重要だろう」と語る。
また、今回の調査では、アメリカ、ロシア、中国、韓国、インドに対する印象を尋ねているが、男女別でみると、韓国だけが男性よりも女性の方が良い印象を抱いている(「親しみを感じる」男性22.3%・女性30.5%)。断定はできないが、韓国の音楽(K-POP)や美容(韓国コスメ)が、女性の韓国への好印象に寄与しているとみられる。こうした民間の交流が、両国の関係維持・改善に資する1つの要素だと言えそうだ。
ただ日韓関係の発展が「重要だと思わない」と答えた人が去年の25.8%から37.7%へと大幅に増えたのも事実だ。与党内には、関係悪化の中でも韓国との交流自体は維持すべきだという意見の一方で、もう韓国のことは戦略的に無視すべきだという「韓国スルー」とも言える主張もある。韓国との関係発展が「重要だと思わない」という認識が国民レベルでもさらに拡大するなら、こうした「韓国スルー」論がさらに勢いを増す可能性もある。
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