メガソーラー計画相次ぐ 土砂災害の不安、住民反発 和歌山

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 和歌山市北部の和泉山脈などで、大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設計画が相次いで浮上している。切り崩した山林や傾斜地などの盛土で造成するため、計画地周辺の住民からは豪雨に伴う土砂災害や景観悪化などを心配する声が上がる。対立も表面化する中、自治体は事業者に、詳細な計画内容の提出を事前に求める条例も施行するが、事業者と住民の双方が納得する形の調整は難しいのが実情だ。      

 ■平井地区の対立例

 和歌山市市小路の河北コミュニティセンターでは今月14日、メガソーラー建設に反対する集会が開かれた。周辺地域の山林では「和歌山平井太陽光発電」(同市平井周辺、事業区域約66ヘクタール)が計画されている。

 集会には住民ら約80人が参加。奈良県生駒市の防災士、西村貢一さんが「身近にある土砂災害を考える」と題して講演した。

 講演前に計画地を下見した西村さんは「尾根を削った盛土で谷を埋める工法では、大規模地震でメガソーラーの造成地が広範囲で崩落する『滑動崩壊』が起こる可能性がある」と指摘した。

 集会を企画した市民団体「楠見地区のメガソーラーを考える会」の西川徹事務局長も「実際に造成地が崩落し、近くの池の水があふれると、山津波で周辺の住宅が影響を受けるのでは」と不安視する。

 一方、事業者の和歌山太陽光合同会社が県に提出した資料などによると、造成地の工事については「適切な設計、施工を実施すれば盛土の安定性は図れる」とし、豪雨対策についても「排水施設と調整池が機能することで、敷地内の安全は確保できる」と安全性を強調する。

 ただ、産経新聞の取材に対しては「(事業計画は)行政機関で審議中で個別の取材には応じられない」としている。

 ■対立は他にも

 市内の和泉山脈では他にも、直(のう)川(がわ)・府中太陽光発電(直川周辺、約74ヘクタール)▽パワープラント和歌山(六十谷周辺、約72ヘクタール)▽旭メガソーラー和歌山西庄発電(木ノ本周辺、約24ヘクタール)-が計画されている。

 旭メガソーラー和歌山西庄発電の計画地近くの八幡台自治会では、事業計画に反対する署名を9月に8千人分、11月にはさらに7千人分集めて市に提出した。

 寺尾千春会長は「豪雨に伴う土砂災害が相次いでいる状況を考えれば、危険要因となるメガソーラーの受け入れは容認できない」と話す。

 ただ、和歌山市以外でも和歌山県内では紀美野町や海南市などで事業計画が相次ぎ浮上している。

 それに伴い周辺住民の間でも、反対運動は広がりをみせている。

 ■自治体の対応は

 メガソーラーは、平成24年、発電した電気を一定料金で電力会社が買い取る国の再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入を機に増加してきた。

 県内では特に、和歌山市内の和泉山脈で事業計画が集中する。その理由を市の担当者は「南向き斜面で日照時間が長く、太陽光発電に好条件で、広い事業面積も確保しやすいため」とみている。

 事業者と周辺住民の対立を減らすため自治体も対応に乗り出し、和歌山県や和歌山市は事業者に対し、事前に詳細な計画内容の提出を求める条例を施行している。

 和歌山県の条例では、事業計画について事前に県と協議した上で住民への説明を義務づけており、和歌山市の条例では業者の開発許可申請時に、建設で影響が及ぶ周辺自治会の同意書の提出を求めている。

 事業者と住民の対立も表面化する中、市の担当者は「最終的な許可・不許可の総合的な判断の中で、住民同意は大きな要素になる」としている。(西家尚彦)

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