千葉県は23日、県管理の8河川で新たな洪水浸水想定区域図を公表した。8河川の中には10月25日の記録的大雨で氾濫が発生した一宮川、作田川、都川も含まれた。県管理の残る17河川でも来年5月末までに新たな区域図を公表する方針。各市町村は新たな区域図に基づき、住民に避難を呼びかける際などに必要なハザードマップを見直す。
県河川環境課によると、新区域図は平成27年5月に改正された水防法に基づき作製。30~50年に1度程度の大雨ではなく、1000年に1度程度の最大規模の大雨を想定している。
10月25日の大雨で特に流域の被害が大きかった一宮川の場合、大雨による氾濫などで流域で想定される浸水面積は旧区域図では13・7平方キロだったが、新区域図では63・6平方キロに拡大する。最も深い地点の浸水深は旧区域図の4・7メートルから新区域図で10・2メートルになると試算した。
また、10月25日の大雨では、旧区域図の域外で道路の冠水や建物の浸水、車に乗っていた2人が死亡するなどの被害が相次いだが、新区域図では、被害があった地域はいずれも洪水浸水想定区域に入るという。
県管理の26河川で、これまでに水防法改正を反映した新区域図が作製されたのは、29年6月に国の見直し作業に伴い公表された手賀沼・手賀川だけだった。
旧区域図は、平成18年3月~20年8月に公表されたもので、各市町村のハザードマップも旧区域図に基づき作製。10月25日の大雨で住民への避難の呼びかけや注意喚起が結果的に不十分だった可能性が指摘された。8河川の新区域図は県のホームページで閲覧できる。