【成都=原川貴郎】安倍晋三首相は25日午前(日本時間同)、訪問先の中国四川省成都郊外で中国の李克強首相と会談し、来年4月で調整する習近平国家主席の国賓来日に向けて協力していくことを確認した。
会談で安倍首相は「日中関係は順調に改善はしているが、習主席の国賓訪日の成功に向けて、大局的な忌憚のない意見交換を行いたい」と述べた。李氏は「中日両国は地域の重要な大国であり、両国関係の健全かつ安定的な発展を希望している」と語った。
両首脳は、昨年来の首脳間の往来を経て、日中関係が「正常な軌道」に戻ったことを再確認し、「『日中新時代』を切り開いていく決意」を共有した。
安倍首相は日中間の懸案も提起した。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での中国公船の挑発行為を念頭に「東シナ海の安定なくして、真の日中関係の改善なし」との考えを伝え、中国側の対応を強く求めた。
東京電力福島第1原発事故後の日本産食品輸入規制の早期撤廃も求めた。
このほか両首脳は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期署名に向けた協力も確認した。