IR参入めぐる政界汚職事件、秋元議員逮捕、白須賀議員事務所など捜索






 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業「500ドットコム」側から現金300万円を受け取るなどしたとして、東京地検特捜部は25日、収賄容疑で、IR担当の内閣府副大臣だった衆院議員、秋元司容疑者(48)=東京15区=を逮捕した。関係者によると、「一切身に覚えがない」と容疑を否認している。秋元容疑者は同日、自民党を離党した。IR参入をめぐる外為法違反事件は、政界の汚職事件へと発展した。

 現職国会議員の逮捕は、平成22年1月に小沢一郎衆院議員の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で逮捕された石川知裕衆院議員(当時)以来、約10年ぶり。

 特捜部はこの日、事件の関係先として千葉県印西(いんざい)市にある自民党の白須賀貴樹衆院議員(44)の事務所や宮城県石巻市にある自民党の勝沼栄明(しげあき)前衆院議員の事務所を家宅捜索した。白須賀氏は29年12月、秋元容疑者とともに広東省深●(=土へんに川)にある500社本社を訪問していた。

 特捜部は贈賄容疑で500社元副社長、鄭希ことジェン・シー(37)=東京都港区▽同社元顧問、紺野昌彦(48)=那覇市▽同社元顧問、仲里勝憲(47)=沖縄県浦添市-の3容疑者も逮捕した。関係者によると、一部容疑者は調べに対し、利益供与を認めている。

 秋元容疑者の逮捕容疑は、IR担当の内閣府副大臣だった平成29年9月下旬、同社のIR事業で便宜を受けたいとの趣旨だと知りながら、東京都内で現金300万円を受領。30年2月中旬には、妻子と北海道旅行への招待を受け、旅費など約70万円相当の利益供与を受けたとしている。

 秋元容疑者は29年8月に500社が那覇市で開いたIRに関するシンポジウムで基調講演を行ったほか、12月には本社を訪れ、経営トップと面会していた。

 秋元容疑者は25日、産経新聞の取材に「500社側から金銭はもらっていない」と容疑を否定した。

 特捜部は今月19日、無届けで国内へ現金数百万円を持ち込んだとされる外為法違反事件の関係先として、秋元容疑者の事務所を家宅捜索し、秋元容疑者の関与を調べていた。

 秋元容疑者は東京都出身で、国会議員秘書を経て16年7月に参院比例代表で初当選。22年の参院選で落選したが、くら替えして24年に衆院議員となり、現在3期目。29年8月から今年9月まで内閣府副大臣を務め、昨年10月まではIRを担当していた。



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