ドイツで2020年1月1日から、長距離の鉄道運賃が約1割安くなる。政府の包括的な温暖化対策の一環で、二酸化炭素(CO2)排出量の少ない鉄道の運賃を下げ、利用増に拍車を掛けたい考えだ。一方、排出量の多い飛行機の運賃は同4月から割高になる見通し。
欧州では環境意識の高まりを背景に、飛行機ではなく鉄道での移動を選ぶ人も出始めた。ドイツでもスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが始めた温暖化対策を訴える抗議デモが盛んで、ドイツ政府は9月、今回の運賃改定や電気自動車の普及促進などを盛り込んだ大規模な温暖化対策を発表していた。
鉄道運賃の値下げは日本の消費税に当たる付加価値税の税率を下げて実現する。一方、航空機利用は飛行距離に応じて税を値上げし、運賃を割高にする。
ドイツメディアによると、国内を鉄道で長距離移動する人は増えており、大手のドイツ鉄道は運賃値下げで年間約500万人の利用増を見込んでいるという。(共同)