【紅白回顧】令和初、アスリートの力が盛り上げに一役 総じてさらりとした印象も





エンディングの「蛍の光」で、菅田将暉(左端)からマイクを向けられ歌う、ラグビー日本代表の福岡堅樹(右隣)=31日午後、東京都渋谷区・NHKホール(長尾みなみ撮影)

 令和となって初の、そして、東京五輪・パラリンピックが開催される「2020年」を見据えた紅白歌合戦が終わった。2020年を見据えるにふさわしい紅白となったが、昨年の「平成最後の紅白」が良くも悪くも、アクの強いものであったことを踏まえると、さらりとした紅白になった感も強かった。(兼松康、石井那納子)

 アスリートたちが前面に押し出された紅白だった。

 終盤の「風が吹いている」(いきものがかり)、「栄光の架橋」を含むメドレー(ゆず)、今回、初披露された「NHK2020ソング」の「カイト」(嵐)と並んだ終盤は、来年の東京五輪・パラリンピックを想起させた。そして、松任谷由実さんの「ノーサイド」は、世間をにぎわせたラグビーの日本代表選手を涙させるに十分な曲として会場のNHKホールに響き渡った。

 過去の五輪や来年の期待選手の映像、ラグビーワールドカップ(W杯)で、史上初のベスト8に進出した日本代表フィフティーンの映像が流れ、その感動を思い出させ、来年への期待を抱かせた。

 松任谷さんの「ノーサイド」では、目に涙を浮かべるフィフティーンの姿が見えるなど、映像の力もあいまっているが、音楽が感情に働きかける力の強さを感じずにはいられなかった。

 新顔の面々も、新しい音楽の魅力を感じさせるのに十分だった。レコード大賞を獲得した「Foorin」は、子供たちから人気に火がついた「パプリカ」を「紅白スペシャルバージョン」で披露。今回は英語バージョンを歌う「team E」も出場。子供たちから世代を超えて伝わった人気を、さらに海外にも広めようとする勢いで、楽しいステージを披露した。

 昨年、初出場を果たしながら、直後にメンバーのスキャンダルが発覚し、今回は4人組(前年は5人組)での出場となったムード歌謡グループの「純烈」は、「DA PUMP」とダンスをコラボして、「純烈のハッピーバースデー」を歌唱。メンバーの小田井涼平さんは「会場はお客さんがすごく盛り上がっていた。いろんな歌手のいろんなダンスを会場の皆さんも踊っていただいて。(出場者の)皆さんが一緒にやる演目も多くて。会場もテレビの前の皆さんもノリノリでは」と2度目の紅白の大舞台を振り返った。

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