パラ競技で「着るロボット」登場 パナソニック子会社開発

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パラ競技で「着るロボット」登場 パナソニック子会社開発


 装着することで重量物の上げ下ろしや運搬を補助してくれる「アシストスーツ」。「着るロボット」とも呼ばれるこの先進技術が、東京五輪・パラリンピックで初めて導入される。パラのパワーリフティング競技の補助員らが活用し、肉体的な負担を軽減する。五輪の最高位スポンサー、パナソニックの子会社で、アシストスーツを提供する「ATOUN」(アトウン、奈良市)の藤本弘道社長は「日本のロボット技術を世界に発信できる絶好のチャンスだ」と意気込む。

 昨年9月に東京都内で開かれたパラ・パワーリフティングのテスト大会。国内外のトップ選手が競技に臨む傍らで、アトウンのアシストスーツ「モデルY」を装着した補助員2人がバーベルの重りを交換する作業を繰り返していた。

 手足の動きをセンサーが感知し、重りを持ち上げようと中腰になると、左右の腰部にあるモーターが作動して上体を起こす動作をサポートする。腰の負担を3割程度軽減する効果があり、平成30年7月の発売以来、国内の物流や製造、建設業界の現場や空港などに550台以上が納入された。

 下肢に障害がある選手が上半身でバーベルを持ち上げるパラ・パワーリフティングの公式試合では、10キロ~50キロの重りが使われる。男女それぞれ10階級で競うため、大規模な国際大会の場合、重りの交換作業は一人あたり数百回に及ぶこともある重労働だ。

 日本パラパワーリフティング連盟の吉田進理事長は「競技終了後、補助員は体にダメージが残り、筋肉痛に襲われることもある。アシストスーツは補助員のパフォーマンスを向上させる以外にも重りの交換時間を短縮できる利点があり、スムーズな大会運営に役立っている」と指摘する。

 実はアトウンと同連盟は3年前から国際大会でアシストスーツを採用し、補助員の意見を聞きながら実証を進めてきた。最初に競技に採用されたモデルの重量は7・5キロだったが、「モデルY」はフレームに使用する素材やバッテリーのサイズを見直すことで4・5キロまで軽量化し、装着時の負担を減らすことに成功。モーターを変更した結果、作業音が小さくなり選手と補助員が競技に集中できるようになった。

 現在は補助員の意見を聞きながら、腕に装着して腕力をサポートする製品の開発に取り組んでいる。完成品は今年度後半以降に市場に投入する計画で、将来的には競技への採用を目指しているという。

 アシストスーツは近年、世界的に普及が進み、人手不足に悩む物流、介護業界などの生産性を高める期待もある。調査会社の米ABIリサーチによると、2028年には世界で30万台を超えるアシストスーツが普及する見込みだ。

 アトウンは東京大会でバックヤードを含めて20台程度を提供する予定で、藤本社長は「アシストスーツの意義を多くの人に認識してもらい、さらなる市場の拡大につなげていきたい」と話している。

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