カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、当時国土交通副大臣だった秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=が、贈賄側の中国企業「500ドットコム」と北海道留寿都(るすつ)村で空港新設を含むIR誘致を計画していた札幌市内の観光会社の幹部に、国交省の空港整備担当部署を紹介していたことが5日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は秋元容疑者による便宜に当たる可能性がないか調べている。
秋元容疑者はIR担当の内閣府副大臣だった平成29年9月、IR事業で便宜を受けたいとの趣旨だと知りながら現金300万円を受領。30年2月には妻子と北海道旅行へ招待され、旅費など70万円分の利益供与を受けた疑いがある。贈賄側は「500」社元顧問の紺野昌彦(48)ら3容疑者が逮捕された。
札幌市内の観光会社は留寿都村でリゾート施設を運営しており、「500」社は観光会社が計画するIR誘致への投資を検討していた。計画では既存の山岳リゾートにプライベートジェットなど小型機用の2千メートル級滑走路を新たに整備することも盛り込まれていた。
秋元容疑者は逮捕容疑となった30年2月の北海道旅行の際、観光会社側から計画について説明を受けたとみられる。宿泊費などは観光会社が負担したという。
その後、観光会社幹部から改めて相談を受け、秋元容疑者は国交省の担当部署を紹介。空港新設には国交省の許可が必要とされる。
秋元容疑者は調べに「担当部署は紹介したが、特別な取り計らいや便宜に当たるようなことはしていない」と話しているという。