妻に逮捕状、擁護論に陰り…ゴーン被告、何を語るのか






 保釈中に海外逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が日本時間の8日夜、レバノンで記者会見を開く。日本の刑事司法制度を批判し、逃亡の正当性を訴えるとみられるが、逮捕時に出ていた擁護論に陰りがあるほか、前日には妻のキャロル・ナハス容疑者(53)に偽証容疑で逮捕状が出るなど取り巻く環境に変化もみられる。そんな中、ゴーン被告の主張は国際世論の支持を得られるだろうか。

■逃亡関与は10~15人程度か

 ゴーン被告は昨年12月29日昼、保釈条件で指定された東京都内の住宅を1人で出て米国人男性2人と合流、品川駅から東海道新幹線で新大阪駅へ移動し、関西空港近くのホテルへ入った。そこで音響機器用ケースに潜んで同空港から出国したとみられている。

 ただ、一部海外メディアによると、逃亡には10~15人程度が関与。保釈条件でインターネットにつながらない携帯電話を指定されるなど通信環境が制限される中、協力者とどう連絡を取ったのか、家族の関与や他の協力者はどこへ消えたのかなど、いまだ不明な点は少なくない。

 ゴーン被告は昨年1月8日、東京地裁で開かれた勾留理由開示手続きで、逮捕後初めて報道陣の前に姿を見せ、「I am innocent(私は無実)」と声をあげて以降、一貫して無実を訴えてきた。

 公判への影響を考慮し、事件の具体的な話を発信するのは控えていたが、日本国内で刑事裁判を受ける見通しがなくなった今、ゴーン被告が事件について一歩踏み込んだ発言をすることも考えられる。

■「日本司法の人質ではない」

 一方、昨年1月時点で「私は日産に心からの親愛を持っている」と述べていたゴーン被告だが、4月9日に弁護団が公開した7分35秒の動画では「これは単なる事件ではなく『陰謀』『謀略』『中傷』」と強い口調で日産現経営陣を非難した。

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