《相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年、入所者19人が刺殺され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判の初公判が午後1時20分ごろに再開した》
《午前の審理は植松被告が暴れ、開始15分で休廷となった。午後の審理は植松被告が不在のままで検察側の冒頭陳述が始まった》
《まず検察官は植松被告がやまゆり園に侵入し、意思疎通のできない障害者を殺害しようと考え、43人を突き刺すなどして19人を殺害し、24人にけがを負わせたなどと事案の概要を述べた。その上で、こうした事実関係には争いがないとした。事件ではほかに職員2人が負傷している》
検察官「争点は犯行時における責任能力の有無や程度です。責任能力があったかなかったか、あった場合、どの程度であったのか」
《こう述べると、検察官は次に、植松被告が犯行に至った経緯や犯行状況の説明を始めた》
検察官「平成24年12月、被告人はやまゆり園で働き始めました。障害者を『かわいい』と感じ、友人にもそのように話していました」
《しかし、勤務を続けるうち、「意思疎通のできない障害者は不幸を生み出すので要らない」という考えを持つようになり、さらに、世界情勢などに興味を持ったことから「意思疎通のできない障害者は殺した方がよい。殺す」と考えるようになったとした》
《植松被告はその後、議長公邸を訪問。(施設襲撃を予告する)手紙を渡し、やまゆり園を退職。措置入院することになった。28年3月に措置入院が解除されると、障害者を殺害する計画を立てたという。検察官は淡々と計画の概要を説明する》
検察官「職員が少ない夜間に犯行を実行する。職員を拘束し、職員に確認しながら意思疎通のできない障害者を包丁などで殺害する。犯行後は警察へ出頭する」
検察官「(職員拘束に体力が必要と考え)ムエタイのジムを利用し、報道された際に信用してもらうには見た目が良い方がよいと考え、美容整形をしました」