攻撃は「最も軽微」な選択とイラン 米と全面衝突望まず、国内世論を意識

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テヘラン市内の集会で演説するイランの最高指導者ハメネイ師(ロイター)

テヘラン市内の集会で演説するイランの最高指導者ハメネイ師(ロイター)

 【ベイルート=佐藤貴生】イラン国営メディアは8日、イラクで米軍が駐留する基地に15発のミサイルを発射したと伝えた。イラン側は報復は複数の選択肢のうち「最も軽微」なものだとし、米側が反撃すれば応戦する姿勢を強調した。ロイター通信によると、最高指導者ハメネイ師は「米国の存在が地域の情勢悪化の原因だ」と述べて地域からの米軍撤収を要求したが、実現するとは考えにくいのが実情だ。

 ザリフ外相は8日未明の攻撃後、「適度に自衛の手段を取って終結した」とし、初期の攻撃が一段落したことを示唆。一方で、「事態の拡大や戦争は望まないが、あらゆる攻撃から自らを防衛する」とし、米側から反撃されれば応戦する意思を示した。

 イラン高官は潜在的な攻撃対象は100カ所に上ると米側を牽制している。ただ、米軍は昨春、戦略爆撃機や空母打撃群を中東に派遣して以来、兵力・兵員の増強を続けており、イラン側の戦力は明らかに見劣りする。ザリフ氏の発言からは米軍との反撃を回避したい思惑もうかがえる。

 米軍に殺害された革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官は、イラン国内ではハメネイ師に次ぐ影響力があったともいわれ、国営メディアは「数百万人」が追悼行事に参加したと伝えた。

 このため、イラン指導部には、明確な形で報復を実行しなければ世論が納得しないという国内事情もあったとみられる。ロイターによると、イラン国営メディアは報復で80人の「米国のテロリスト」を殺害したなどと報じている。

 米国はイラク国会が米軍など外国軍部隊の駐留終了を求める決議を採択したも、不安定化を阻止するために米軍駐留は不可欠だと主張。米政権が米軍駐留を継続して兵力を増強すれば、イラクを舞台にしたイラン・米の軍事対決が長期化し、衝突がエスカレートする懸念もさらに高まる。

 一方、8日朝の段階では、イラクに駐留する米兵らの人的被害は確認されていない。背景は不明だが、イラクにはイランと連携するイスラム教シーア派民兵組織が存在している。米軍が駐留する基地周辺の情勢を詳細に監視していたとすれば、革命防衛隊が意図的に大規模な犠牲を避けた可能性もありそうだ。

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