昨年12月19日、訪中した河野太郎防衛相は、防衛交流の一環として中国人民解放軍の陸軍警衛第3師団を視察した。訓練などを他国に見せ合うことには、軍事活動の透明性を向上させ信頼醸成を図る目的がある。記者も河野氏に同行して師団を訪ねた。視察団に公開された訓練の内容とは-。
「戦争に勝てる優秀な軍隊を建設」
気温3~4度、背後には冬の寒々しい山が連なる北京市の郊外。第3師団を訪問した河野氏は、音楽隊による演奏の中、楊瑞潔師団長(上級大佐)と並んで屋外で儀仗(ぎじょう)隊を検閲した。
その後、視察団は建物内の一室に案内された。
「第3師団を代表し、熱烈な歓迎の意を申し上げたい」。楊氏の歓迎のあいさつに続き、人民解放軍や同師団の説明が15分ほど行われた。
同師団は首都北京の地上防衛や防空を主任務とする精鋭部隊である。警衛、砲兵、高射砲、装甲などの各連隊を指揮下に置いている。説明によれば、定員は1万1千人。95式自動小銃▽63式装甲運輸車▽57ミリ高射砲▽152ミリ榴弾砲▽122ミリ榴弾砲▽100ミリ突撃砲▽対戦車ミサイル▽各種の指揮情報システム-などを有しているという。