大阪市大正区の尻無(しりなし)川を活用した複合施設「タグボート大正」の飲食エリアが18日に開業するのを前に15日、報道陣に公開された。大阪を拠点にする個性豊かなメニューを提供する16店が出店し、地元客をはじめ、訪日客も狙う。
複合施設は尻無川南岸で一時的なイベントなどに使われていた河川広場に建設。東西約240メートル、南北約10メートルで、敷地面積3173平方メートル。先行オープンする飲食エリアはこのうち2割ほどを占める。施設入り口付近に薪窯で焼き上げた本格ピザが楽しめる船上レストランなど3店舗、1階に野菜の粉を衣に使った天ぷらや、ワインと合わせて楽しむおでんなど専門店10店が並ぶフードホール、2階には深夜営業のスナックやバーなど3店舗がある。
音楽ライブができるスペースも用意され、事業を統括するリタウン(大阪市浪速区)の担当者は「地元の若手アーティストらに無料開放し、パフォーマンスの腕を磨ける場にしてほしい」と話す。飲食エリアのみで月間5万人の来客を目指し、訪日客はこのうち1割程度を見込む。
今後、年末までにかけて段階的に開業する。今春には夢洲やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(同市此花区)を結ぶ定期船を就航するほか、年内開業を目指して川辺に浮かぶ日本初のホテル(全12室)も新設する。リタウンの松本篤社長は「定期船を運航し、水辺のターミナルとして大正区をリブランド(ブランドの再構築)したい」と話している。