ナイキの厚底にアシックスとミズノが反撃 五輪前に新シューズ発売へ



ミズノが開発中のレース用シューズのプロトタイプ(試作品)。箱根駅伝に投入され、区間賞に貢献した(写真は同社提供)
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 米ナイキ社の厚底シューズが国内外のマラソン・駅伝レースを席巻する中、日本メーカーのアシックスとミズノが反撃に向けて新型シューズの開発を急いでいる。正月の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)と東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)では、両社が一部選手にプロトタイプ(試作品)を供給し、好成績に貢献した。世界陸連がナイキの厚底を禁止するとの報道もあり、東京五輪に向けた“シューズ戦争”の行方は予断を許さない。(田村慶子、上野嘉之)

「一矢報いる」

 ナイキ旋風が吹き荒れている。1月2、3日に開かれた箱根駅伝では、出場選手の85%がナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」シリーズを使用。優勝した青山学院大の全員、また1~9区の区間賞の選手もすべてナイキを履いた。

 そんな中、数人の選手がブランド名やマークが見えない真っ白なシューズを着用。最終10区では区間賞を獲得して気を吐いた。

 このシューズがミズノのプロトタイプだ。靴底のクッション部分に独自開発の硬いプレートを挟んだ構造で、高い反発力と推進力を得られるという。

 ミズノは「昨年の夏前からテストを行い、手応えを得た」(広報)。箱根駅伝での使用には賛否両論があったが、ナイキの独占状態を脅威とし「一矢報いる」ためにも投入を決めた。

 アシックスもプロトタイプを投入。元日のニューイヤー駅伝では、最長距離の4区で新型シューズを履く選手が先頭争いを制し、トップでたすきをつないだ。

 「メタレーサー」と呼ばれているこのシューズには、同社が昨年2月に発売した市民ランナー向けモデルの「長く楽に走る」技術を応用。厚底で、つま先部分がせり上がり、曲がりにくい構造によって「おのずと重心が前へ移り、足首はあまり動かない。転がるように楽に足を運べる」(大橋寿康広報室長)という。

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