飛行記録「他国に渡すかは未定」 イラン、核合意ではIAEAへの協力見直しも示唆





イラン・テヘランの空港離陸後に墜落したウクライナの旅客機の残骸と付近で活動する当局者ら=8日(AP)

 【カイロ=佐藤貴生】イランがウクライナ旅客機を誤って撃墜したと認めた問題で、墜落原因を調査しているイラン民間航空当局幹部は19日、旅客機のブラックボックスの解析を国内で行う方針を示し、「他の国に送るかどうかは決まっていない」と述べた。この幹部は前日、解析不能な場合はウクライナに送るとの見通しを語っていた。

 ロイター通信が伝えた。方針転換の背景は不明。ブラックボックスは墜落原因の究明に重要な役割を果たす。ウクライナ政府は自国に引き渡されるとの見通しを示していた。

 57人が犠牲になったカナダの調査当局は声明で、6日間にわたり旅客機の残骸を調べていた調査官2人が19日、イランを出国したと述べた。ブラックボックスをどう解析するかは決まっていないとしている。カナダは「解析能力がある数少ない国」だとしてフランスの航空調査当局に渡すよう求めていた。

 ウクライナの首都キエフの空港では19日、身元が判明した同国の犠牲者11人の遺体が返還され、追悼行事が営まれた。

 一方、イランのラリジャニ国会議長は19日、欧米など6カ国と結んだ核合意をめぐり、当事国の英仏独が「不公平」な行動を取れば、国際原子力機関(IAEA)との協力関係を見直すと述べた。核施設へのIAEAの査察拒否などを示唆したものとみられる。

 イランは5日、高濃縮になれば核兵器に転用できるウランの濃縮を無制限に行うと表明した。英仏独はこれを受け、最終的には過去の対イラン国連制裁の再開に至る「紛争解決手続き」を発動。最高指導者ハメネイ師は17日、3カ国は「米国の利益に従っている」などと発動を批判していた。



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