【北京=三塚聖平】事実上の移動制限という異例の措置がとられた武漢市。新型コロナウイルスによる肺炎で世界にその名を知られることになったが、中国では中部地域の中心都市として高い経済成長を誇ってきた。主力産業である自動車を中心に日本など外資系企業の進出が目立ち、日本からの出張者が多い都市のひとつであるだけに影響の広がりが懸念される。
武漢は湖北省の省都で、同市のホームページによると人口は約1100万人。交通の要衝として古くから発展し、1949年の中華人民共和国成立後には鉄鋼や造船など重工業の大型工場が相次いで建設された。1911年には清朝を打倒した辛亥革命のきっかけとなった「武昌蜂起」の舞台になっている。