《植松聖(さとし)被告への質問は続く。弁護人は、措置入院から植松被告が退院する際の経緯に話を移していく》
弁護人「措置入院から退院するためにしたことはありますか」
植松被告「礼儀正しくしました」
弁護人「ほかには」
植松被告「安楽死させるという考えを言わなくなりました」
弁護人「撤回、訂正しますといったことは」
植松被告「そういうことは覚えていません」
弁護人「そうしたらどうなりましたか」
植松被告「1つずつ制限がなくなりました」
弁護人「少し繰り返しになるが、あなた以外の人から事件について『こうしろ』と言われたことは」
植松被告「ありません」
《ここで植松被告は急に質問されていないことについて主張を始めた》
植松被告「今は良いことをしてももうからないから、悪いことがはやっていると思います」
弁護人「悪いことをしたほうがお金がもうかるということですか」
植松被告「はい」
弁護人「別のことを聞きます。興味を持っているカードはありますか」
植松被告「あります。イルミナティーカードです」
《イルミナティーカードはアメリカで20世紀末に発売されたカードゲームで、その図柄が「さまざまなできごとを予言している」と都市伝説になったカード。植松被告はこのカードにはまっていったという》
弁護人「あなたはこのカードを持っていましたか」
植松被告「インターネットやテレビで見ただけです」
弁護人「カードにはどういうことが書いてあるのですか」
植松被告「テレビコマーシャルに出ている俳優の足元に大金があることです」
弁護人「どういう意味ですか」
植松被告「お金をもらえれば何でも話すということです」
《弁護人の質問に対し明快に答えているように見える植松被告だが、次第にかみあわなくなっていく》
弁護人「ほかにはありましたか」
植松被告「大切な要求をするときは拳銃を突き付けたほうが良い。あとは、日本が滅びると書いてありました」
弁護人「いつ滅びるのですか」
植松被告「多分、今年です。首都直下型地震の後、いろいろな問題が起きます」
弁護人「ここは横浜ですが、横浜にも何かありますか」
植松被告「6月7日か9月7日に、横浜に原子爆弾が落ちます」
弁護人「カードに書いてありましたか」
植松被告「漫画に書いてありました」