(1)幸せになる7つの秩序「安楽死、大麻、カジノ…」 早くも屈折した持論展開
《意思疎通のできない重度障害者には安楽死を認めるべきである-。植松被告の差別的な主張は続く》
弁護人「重度障害者にも親、兄弟がいます。その人たちの気持ちを考えたことはありますか」
植松被告「自分の子供を守りたいという気持ちはわかりますが、受け入れることはできません。なぜなら、自分の金と時間を使って面倒を見ることができないからです。彼らの生活は国から支給される金で成り立っており、家族の金ではありません」
《弁護人の目を真っすぐと見据え、大きな声で宣言するように告げた。独演会のような被告人質問が続く》
弁護人「それでも、愛情をもって接している家族もいるんですよ」
植松被告「気持ちはわかりますが、他人の金と時間を奪っている限り、守ってはいけないと思います」
《弁護人は、再びノートの内容に触れる》
弁護人「ノートには安楽死のことが書かれていますが、安楽死を認めると世の中はどうなると思いますか」
植松被告「生き生きと働ける社会になると思います。仕事をしないから動けなくなり、ボケてしまうと思います。仕事をすることが重要です」
《ひときわ大きな声で、はきはきと答える。自分の主張を周囲に聞いてもらい、気分が高揚しているようにも見える》
弁護人「健康でも、働いていない人がいますよ」
植松被告「働けない人を守るから、働かない人が生まれるんだと思います。国から支給された金で生活するのは間違っています」
弁護人「今の日本では安楽死が認められていません。どうやって認めるんですか」
植松被告「死を考えることでよりよく生きられると思います」
弁護人「ん? 法律的に認めるということですか」
植松被告「認めていければと思っています」
《弁護人は、ここで話題を切り替えた》
弁護人「なぜ、国から支給されている金で生活するのが問題だと思うようになったんですか」
植松被告「日本が借金だらけで、財政が苦しいことを知ったからです。お金が欲しくて、世界情勢を調べるようになりました。そうしたら、テレビやインターネットで国の借金のことを知ったんです。安楽死させると、借金を減らせると思いました」
弁護人「借金が減ると世の中はどうなりますか」
植松被告「みんなが幸せに生活できます」