新型肺炎 北京駅はマスク9割 中国、厳戒下で春節連休





23日、春節(旧正月)を前に鉄道で北京に到着した旅客。大半の人がマスクを着けている(ゲッティ=共同)

 【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスによる肺炎の発症者が各地に広がる中で、中国では春節(旧正月、25日)の大型連休が24日に始まった。連休の前後も含めて延べ約30億人が鉄道や航空機などで移動することが見込まれる。人の移動が激しくなることで感染者をさらに広げる恐れもあり、駅や空港など人が多く集まる場所では体温測定や消毒といった措置を強化。大半の旅客もマスクを着用して自衛するなど厳戒ムードで春節を迎えた。

 24日午後、北京市中心部の北京駅は大きな荷物を抱えた帰省客らでにぎわっていた。ただ、周囲を見ると9割超の人がマスク姿で、駅に近づく前にカバンからマスクを取り出す人の姿も目立った。春節は中華圏で重要な行事と位置づけられており、春節の大型連休(24~30日)をふるさとで過ごす人が多い。北京市郊外の実家で春節を迎えるという不動産業の女性は「数日前からSNSでも新型肺炎の話題が一気に増えている。移動中に感染しないか不安もある」とマスク姿で話した。

 多くの人が集まる観光地などでは営業を取りやめる動きが広がっている。現地メディアによると、北京では市内の公園で行われる新年を祝う伝統的な縁日「廟会」の中止を決定。世界文化遺産に登録されている「故宮(旧紫禁城)」も25日から休館し、地下鉄も消毒を強化している。また、上海ディズニーランドも25日から営業を一時取りやめる。

 一方、発生の中心地となっている湖北省武漢市では、23日に実施された市外に向かう列車や航空便を一時停止する措置が続く。人口約1100万人の大都市を事実上閉鎖する非常措置で、市民による「食料品の買いだめ」が行われていると香港紙が報じている。北京の日本大使館は23日に開いた説明会で「食べ物がなくなるかもしれないということで、食べ物を調達する人でスーパーやコンビニは混雑している。一部では売り切れに近い状態になっているが、完全になくなってパニックになっているということはない」と現地からの情報を紹介した。



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