現実路線で防災対策促す 政府の南海トラフ津波確率

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南海トラフ地震の震源域

南海トラフ地震の震源域

 南海トラフ地震は広大な震源域のうち東西の片方だけ断層が動くタイプや、両方が同時に動くケースなど地震の場所や規模は多様だ。津波の高さはそれぞれ異なり、次にどのような地震が起きるか分からないため予測できない。今回の発表は、津波の高さごとに確率を求めることで地域別のリスクを示したもので、防災対策の新たな指針として果たす役割は大きい。

 平成24年に政府が公表した津波の想定は、歴史上は確認されていないが理論的には起きる可能性がある最大級の巨大地震を試算した。これに対し今回は実際に起きた過去の地震をもとに計算した点が特徴だ。これから起きる可能性が高い典型的な津波が示され、より現実的な内容となった。

 背景には、従来の想定が防災上の逆効果を招いた反省がある。前年に起きた東日本大震災が「想定外」だった教訓から、震源域全体が一気に動く極端なケースを想定し、場所によっては最大で高さ30メートル以上の巨大津波が襲う形となった。実際に起きる可能性は極めて低いにもかかわらず、名指しされた地域では津波対策そのものを諦める声まで出てしまった。

 限られた予算や時間の中で防潮堤などの対策を進める自治体にとって、今回の評価は、備えるべき津波の高さや地域などの優先順位付けに使えるだろう。

 前回の想定づくりにも関わった東北大の今村文彦教授(津波工学)は「当時は最大級が必ず起きるのではないかとの誤解が独り歩きして、思考停止につながることもあった。今回の評価を段階的な対策につなげてほしい」と話す。(小野晋史)

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