大手通信会社「ソフトバンク」の機密情報が不正に持ち出され、ロシア側に渡ったとみられる事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕された同社元社員、荒木豊容疑者(48)が、情報を不正に引き出したとされる昨年2月18日の数日後に、在日ロシア通商代表部の職員に会い、記録媒体を手渡したと説明していることが27日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁公安部は同日、荒木容疑者を送検した。
捜査関係者によると、ロシア側から情報入手を求められ、接触する日に合わせてソフトバンクのサーバーにアクセスし、機密を取得した可能性がある。公安部は昨年12月に同社と荒木容疑者の自宅を家宅捜索し、実態解明を進めていた。
荒木容疑者は、情報提供の見返りに金銭を受け取ったことを認めているという。複数回にわたって職員らに情報提供していたとみられ、公安部が裏付けを進めている。