立憲民主党が国民民主党に呼びかけた合流構想が破談となったことを受け、野田佳彦前首相や岡田克也元外相が率いる旧民進党系の議員グループも対応に苦慮している。両氏は再結集の「懸け橋」を自任してきただけに、国民抜きで個別に立民に合流する選択肢もとりにくい。両グループとも合流機運が再び高まるまでは静観の構えで、当面は「中ぶらりん」が続きそうだ。
旧民進系でつくる野党統一会派は27日、衆院予算委員会で首相主催の「桜を見る会」やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件などを追及。「桜」追及本部でヒアリングも実施し、国民の原口一博国対委員長は「安倍晋三さんに首相を辞めていただけるよう、この会を一刻も早く最終に持っていけるよう頑張りたい」と気勢をあげた。
ただ、表面上の結束とは裏腹に、会派内には合流破談による脱力感も漂う。
「こちらは覚悟を決めていたが、国民の合流推進派は動かなかった。しばらくは沙汰やみだろう」。野田氏率いる「社会保障を立て直す国民会議」の中堅はそう語る。同グループは仮に国民の合流推進派が分党や集団離党で立民に合流を決めた場合、歩調を合わせる方針を決めていたというが、当ては外れた。
一方、岡田氏は23日、記者団に合流構想の破談に関して「野田氏と私のところには(立民から国民と)同じレベルの(合流への)呼びかけは別になかった」と語り、当面は自身のグループが立民に合流することはないとの見通しを示した。 ただ、立民幹部は「昨年末に『ともに闘おう』と呼びかけた際、岡田氏も同席していたはずだが…」と漏らし、同床異夢を露呈するコメントに困惑の表情を浮かべた。(千田恒弥)
【野党ウオッチ】目立つネガティブな応酬 何のための立民と国民の合流か