1月発売のCDピックアップ 木村拓哉の初作品は自然体





木村拓哉「Go with the Flow」(提供写真)

 昨年発売されて出荷枚数もしくは有料ダウンロード数が100万を超えた音楽アルバムは、嵐のベスト盤だけだった(日本レコード協会調べ)。それでも、作品は続々と発表される。1月発売の作品をピックアップする。(石井健)

 昨年末のNHK紅白歌合戦にも出場したKing Gnu(キングヌー)の「CEREMONY」は、古い器に新しいワインを注いで興味深い。

 東京芸大出身の常田大希(つねた・だいき)を中心とした4人組ロックバンドの1年ぶり3作目は、その構成手法や全12曲で36分という短い収録時間が、英米ロック全盛期の作品をほうふつさせる。

 もちろん個々の楽曲は、今を表す。例えば、前半の4曲は、いずれもイントロがない。いきなり核心に切り込むのは、音楽の「定額聴き放題サービス」が台頭する中、耳に印象を強く残す作風とされる。

 サビとその他の部分とが混然一体の旋律、悔恨と希望がないまぜの歌詞。そこに生まれる焦燥感。混とんとした時代の若者には、等身大の歌なのだろう。

 歌手の越智志帆すなわちSuperfly(スーパーフライ)の4年半ぶり6作目「0」は、King Gnuとは対照的か。旋律は、風や水が流れるようにしなやかに紡がれ、完全に制御された声で、「生きているって素晴らしい」と明日への希望を歌い上げる。

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